世界でもっとも正確な長さと重さの物語―単位が引き起こすパラダイムシフト

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世界でもっとも正確な長さと重さの物語―単位が引き起こすパラダイムシフト

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822285371
  • NDC分類 609
  • Cコード C0040

出版社内容情報

長さや重さの単位をどう決めるかの変遷で知る科学史ストーリー。科学史のベースとなる普遍的な単位系に対する模索について詳述する。

長さや重さの単位をどう決めるかの変遷で知る科学史ストーリーです。『世界でもっとも美しい10の科学実験』『世界でもっとも美しい10の物理方程式』の著者が、科学史(特に物理学)のベースとなる普遍的な単位系に対する模索について、哲学っぽいトリビア的な知識を開陳します。長さと重さの単位となるメートルやキログラムは従来では「原器」と呼ばれる人工物を基準としていましたが、長さの伸縮や重さの増減のために、信頼性が揺らいできました。長さについては光の速度を基準とすることが決まっており、方向性の枠組みはある程度決まっていましたが、2014年11月の国際会議でキログラムを再定義することになりました。これは、原子レベルの測定をベースとするものです。本書の第12章の「さらばキログラム」は、キログラム原器との分離とキログラムの再定義を詳述しています。

はじめに――正午の号砲

第1章 ウィトルウィウス的人体図

第2章 古代中国--尺と律管

第3章 西アフリカ--金の錘

第4章 フランス--「生活と労働の現実」

第5章 阻まれる普遍化への歩み

第6章 現代文明の最大の勝利の一つ

第7章 メートル好きとメートル嫌い

第8章 ご冗談でしょう、デュシャンさん!

第9章 究極の単位という夢

第10章 普遍的な度量衡体系--SI

第11章 今日の計測を巡る状況

第12章 さらば、キログラム

エピローグ

謝辞
訳者あとがき
図のクレジット
原注
索引

【著者紹介】
ストーニーブルック大学(米ニューヨーク)の哲学科教授。著書に『世界でもっとも美しい10の科学実験』『世界でもっとも美しい10の物理方程式』(日経BP社)が、共著に『セカンド・クリエイション』(早川書房、1991年12月)がある

内容説明

測定のベースとなる長さや重さの単位を巡る科学史ストーリー!!理論と実験に関わる単純さ/美しさを求める科学の本質。科学の発展に寄与した単位の制定を巧みに語る科学エッセイ。

目次

ウィトルウィウス的人体図
古代中国―尺と律管
西アフリカ―金の錘
フランス―「生活と労働の現実」
阻まれる普遍化への歩み
現代文明の最大の勝利の一つ
メートル好きとメートル嫌い
ご冗談でしょう、デュシャンさん
究極の単位という夢
普遍的な度量衡体系―SI
今日の計測を巡る状況
さらば、キログラム

著者等紹介

クリース,ロバート・P.[クリース,ロバートP.] [Crease,Robert P.]
ストーニーブルック大学(米ニューヨーク)の哲学科教授

吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都市生まれ。京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

45
度量衡に関する歴史などを世界各地からの状況を説明してくれています。科学史の観点からとそのことがどのようなことからという哲学的なところまで論じておりいろいろな影響を与えているということがわかります。このような基本的ではあるけれど細かいことでその裏には様々な事情があるということがわかっただけでもよかったと感じます。2015/05/24

CCC

10
この本を読もうと思ったのは、昔の度量衡はどれくらい正確だったのか、現代のそれとどれほど互換性があるのか、その二点が知りたかったからなのだけど、古代の話は少なく、またメートル法以降に大半のページが割かれているため、そういった事はいまいち分からなかった。なるほど、この本は『もっとも「正確な」長さと重さの物語』。不正確な長さと重さの物語はお呼びじゃなかったようだ。けれどもそれなりに興味深い話題は多かったし、荀勗やアフリカの話はわりと求めていたものに近かったので、読んで損はなかった。2017/01/23

himawari

4
後書きが興味深かった。長さを計ることが人に与える影響について、哲学的に書かれている。体にぴったり合ったサイズの服を着ることが幸せなのか、という問いに対しては西洋的だなぁと感じた。2015/03/28

黒豆

4
度量衡は、正しい秩序を定め、国家機構を維持するために必要で中国2000年の歴史では新しい王朝が興るたびに現行度量衡の見直しを命じた。古くは足に基づく単位 尺、指の幅 寸、農作業に基づく単位、1度に洗える牡蠣の量wash、1日の脱穀量werkhop、一頭の乳牛から1度に搾乳で得られるミルクの体積meal、近代はメートル原器から波長基準へ。単位の話題でこれほど多彩なストーリーがある事に驚くと共に興味深い内容だった。2014/12/17

takejin

2
度量衝体系の推移を、主にメートル法の経過を追う事で提示している。中国の音階の基準とか、観念を組み合わせて重さを測るアフリカの重りの話もおもしろい。でも、驚いたのは、まだキログラムが物理定数(光の速度とかプランク定数とか)で定義されておらず、キログラム原器が基準になっているという事と、その原器の重さが変動しているという事。びっくりです。2015/03/04

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