内容説明
生身の女として触れ合ってみたい。男であれば誰もがそう思う女性、夕顔はなぜ、それほどまでに魅力的なのか?そのひみつを、源氏物語をひも解き明らかにする究極の「男を夢中にさせる理想の女」論。
目次
第1章 「雨夜の品定め」の女たち(光源氏の性癖 頭中将の登場 長雨の物忌のつれづれに ほか)
第2章 夕顔という女との遭遇(夕顔、その謎めいた登場 見られていた源氏の振る舞い 夕顔との急接近 ほか)
第3章 死の家にて(なにがしの院に至る 運命の日が明ける そして、その夜ついに… ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
10
ストーリー上は重要な役どころの夕顔だけど、キャラクターとしては印象が薄い。素直で可憐、守ってあげたい…たしかにリンボウ先生世代までの男性にとって夕顔が「最高の女」なんだろうな。私は抑制しても生き霊が自己主張してしまった六条御息所みたいな女性に魅力を感じる。2019/03/05
あいくん
4
⭐⭐⭐⭐2022/06/19
カミツレ
2
表紙の美少女が素敵。飾らない美しさ、若さの輝きともうしましょうか。花は消えてしまうからこそ美しいとすると夕顔こそは永遠の花でしょうか。こうも男性を魅惑する夕顔を、女性の紫式部がどのように創作したのか、副題にある最高の女のひみつの一つかも。夕顔が頭中将の正妻からただの嫌がらせではなく呪いを受けていたというのは初めて知りました。それはコワい!プロの拝みやさん。繊細な夕顔ですが源氏の意を汲まない数少ない玉鬘の母となるのは皮肉な感じ。物語の塩梅の妙を感じるところです 2024/02/11
鈴木貴博
1
短い期間で退場してしまうものの、頭中将に、光源氏に、そして読者に忘れ難い印象を残す夕顔の魅力を考える。「帚木」の雨夜の品定め、「夕顔」の関連部分の原文を掲げ、現代語訳を附するとともに林望先生が思い入れたっぷりに解説。他の女君との明らかな違い、見事な伏線・物語の各シーンの連関とそれに気づいて初めてわかる事実、そして原文で繰り返し使用される形容詞とその意味するものなど、源氏物語の奥深さ面白さをまた堪能。2023/01/24