内容説明
ヨーロッパを揺るがしたナポレオン戦争、普仏戦争、第一次・第二次世界大戦、そして現在、カントからハーバーマス、デリダにいたる思想家は戦後、いかに戦争について思考していったのか。
目次
はじめに 「戦後思想」としての社会思想
序章 カントにおける戦争と平和
第1章 ナポレオン戦争をめぐるフィヒテとヘーゲル
第2章 普仏戦争をめぐるマルクスとニーチェ
第3章 第一次世界大戦後の思想―ローゼンツヴァイクとハイデガー
第4章 第二次世界大戦後の思想―アドルノとアーレント
終章 ハーバーマスの戦後思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
9
ハードカバーの哲学系の本は初めて読んだが、ナポレオン戦争からイラク戦争まで、様々な「戦後」をテーマにドイツ哲学史を概観する面白い試みだった。カント、フィヒテ、ヘーゲル、マルクス、ニーチェ、ハイデガー、ベンヤミン、アドルノ、ハーバーマスなど扱う対象は多岐にわたるが、一貫したテーマがあるため読みやすい。「戦後」における「生き延び」と「相互承認」が重要テーマ。ユダヤ人などの「他者」と、ナポレオンやヒトラーなどの「権力」が常に問題となっていることに気付く。気になった哲学者についてはより詳しく勉強してみたい。2020/08/26
D.Okada
5
カント、フィヒテ、ヘーゲル、マルクス、ニーチェ、ローゼンツヴァイク、ハイデガー、アドルノ、アーレント、ハーバーマスというカント以来のドイツ社会思想を牽引してきた思想家たちの思想をそれぞれの「戦後」というかたちで著述されている。M.ヴェーバーが抜けているのは残念ではあるが、それぞれの戦争が思想家たちに与えた影響など、詳細に書かれていて、思想史研究にとても参考になる本だと思う。思想体系としてではなく、思考のヒントともなりうる本であるので、これから何度か参照していきたいと思う。2011/04/06
uehara
0
2009年刊。カントから入り、ナポレオン戦争におけるフィヒテとヘーゲル、普仏戦争におけるマルクスとニーチェ、第一次大戦におけるローゼンツヴァイク(初めて知った!)とハイデガー、第二次大戦におけるアドルノとアレント、ハーバーマスと、それらを「戦後」の思想としてとらえ、それぞれにおける異同や緊張、継承関係を展開する。近代ドイツ思想入門書ともなる。最近のことを言うと、ハーバーマスのイスラエル評価をこのつらなり(本書で「相互承認」がカギとなるが)のなかでどうみるか。2024/08/19
pengin__0318
0
勉強、思考不足を実感させられた本であった。 本書の試みとして、戦後思想を第二次大戦後に限定せずに最も広い意味で捉えて論じているが、その試みは非常に面白いと感じた。 特に、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガーに関する記述はもう一度じっくり読みたい。2019/02/20
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