ピコラエヴィッチ紙幣 - 日本人が発行したルーブル札の謎

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ピコラエヴィッチ紙幣 - 日本人が発行したルーブル札の謎

  • 著者名:熊谷敬太郎
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • ダイヤモンド社(2009/10発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784478011270
  • NDC分類:913.6

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内容説明

島田商会が極東ロシアの小都市で発行していた紙幣「ピコラエヴィッチ」は人々から歓迎され、ロシア人社会に深く浸透していた。しかし、永遠にも続くように思われたそのシステムは、当地の鮭鱒漁の不漁と共産革命の嵐によって大きな悲劇へと発展する。「通貨とは何か?」「経済とは何か?」を問う問題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青色夜ふかし

34
経済小説。ビジネスマンに刺さる名言・名場面満載。紅一点オリガの存在が読者の心を掴む。▼尼港事件。1920年(大正9年)3月。舞台は極東シベリアのニコライフスク港。当時シベリアは日本軍が占領。ロシア革命の流れから赤軍過激派がアムール川河口の邦人を無差別に虐殺。犠牲者730名。▼島田元太郎は鮭鱒漁の漁獲量を担保に金を貸す、仕込金融と呼ばれる漁業支度金の前貸しビジネスを展開。そこで使われていた手形はピコラエヴィチ紙幣と呼ばれる。当時インフレでルーブルは下落。国の紙幣より手形の信頼度が高かった。2018/02/21

Shintaro

6
タイトルが気になって読んでみました。時は1919年。革命と反革命の嵐が吹き荒れる中、黒川はニコラエフスクに赴く。島田商会札を印刷するために。当時ルーブルは暴落し、ニコラエフスク市民は島田商会での商品との兌換を保障された代用紙幣である島田商会札、通称「ピコラエヴィッチ」を信任したのだ。ロシア娘オリガの協力で印刷が終わった頃、町は赤軍パルチザンに包囲されていた...。「尼港事件」と「島田商会札」は史実。この小説はその間を埋めるフィクションです。それにしても、読書家の感想は24件ですか。もうすこし読まれてもいい2015/03/10

TATA

6
歴史上の悲劇をベースにしたストーリー。非常に興味深く読めました。内容は重厚でもっと評判になってもいいのにな、という印象。後半は悲劇色が強くなるのでもう少し明るい時代を長く書いてもらってもよかったかなあと。熊谷さんは悲しみのマリアに続いて二作目、どちらもおもしろかったです。ドラマになればいいのに。2015/01/27

Fige

5
貨幣とは「信用」。帝政ロシア末期、貨幣であるルーブルは日々切り下げられ、信用は崩壊していた。一方、シベリアの港町で日本人商会が発行した保証書(ピコラエヴィッチ紙幣)は、商会の商品と確実に交換ができたため、貨幣のごとく流通していた。本書は、貨幣までも外国人に頼らざるを得ないロシア人の思い、貿易を通じシベリアに根付こうとする日本人の思いが複雑に絡み合う中、この港町を赤軍過激派が「正義」の名のもとに徹底的に略奪・虐殺・破壊した実際の事件を基にしたフィクションであり、人間ドラマ、歴史ドラマを十分に味わえる作品だ。2014/09/15

都人

4
大変面白く、歴史の不思議さを感じる。エピローグで作者との繋がりも分かる。読み易く一読を勧める。2010/05/19

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