ディアプラス・コミックス 丸角屋の嫁とり

著者名：山中ヒコ【著】

新書館（2012/02発売）

• ISBN：9784403662584

内容説明

武家の庶子である鈴は、本妻の目を恐れ男の身で女として育てられた。美しく成長した鈴はある日、町でならず者に絡まれたところを町人の新三郎に助けられる。以来、男というものへの憧れを育て始める鈴。だが父から借財のカタに嫁入りを命じられ……？　表題シリーズほか、年下攻リーマンシリーズ「新しい武器」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[エンブレムＴ]

同時収録の「『新しい武器』はやりたい放題です」とあとがきにありましたが、好みでした♪中途採用崖っぷち新人SE・染谷と、教育係に任命された（血液型はおそらくA型）キッチリタイプ・神田。人付き合いの苦手な神田と仕事を通して心を通わせていく描写が良いな～と思いつつ、でもサラッと読んでおりました。なのに・・・子供時代の染谷のエピソード！あれって何事ー！？やだもう！彼の幸せを願わずにはいられないじゃないですかー！私、山中さんの描くイタイケなチビッコキャラに滅法弱いようです。そういえば表題作も、弟分・荘太贔屓でした！

2010/10/15

[ちゃりんこママ]

再読。面白い設定の義理と人情の時代劇ＢＬ。昨秋、ＢＬを漁り始めて表紙絵から、かなり先に読んでいて、他の山中作品とイメージが違うので忘れてました。再読して着物と髷のきれいなのに惚れ惚れしてます。思い切って月代を大きくした伊達男の町人髷良いねぇ。髷ってさぁ、頭の形と顔のバランスがよく描けないとカッコよくならないの。などなど拘って眺めても面白い作品です。

2014/09/19

[ふかborn]

借本☆非常に良い｡同時収録作が印象に残る｡丸角屋～､月代がな～!気になるので江戸ものは苦手ですが､荘太の独白｢じっと みていると…｣や鈴の幸せを願う気持ちが切ないです｡新しい武器､前後編での始まりに神田と染谷の人物像が分かるエピを持って来たのが上手い｡特に染谷の過去が､現在は心の奥にしまい込んでいる静謐な孤独で､神田に対して その孤独を与えた染谷の感情に震えた…｡スピンの吉野の話は､全体を補完している｡他人の心情の機微や優しさを素直に理解出来て､自らを省みる事の出来る吉野という人間が描かれていて感涙…!

2014/09/26

[どんぶり]

なんというかこの作者さんのつくり出す、切なさというかこの空気感が好きです。色っぽい絵柄と合わさって艶めかしさが感じられるような。何言ってんだろ自分(笑)収録されてる作品は、表題作2話(+後日談)とリーマンの話前編後編+1話です。掲載誌にも寄ると思うんですけど、500年の営みよりエロさが多めです。荘太との三角関係が出来そうで出来なかったのがちょっと残念。2話じゃ無理か～。新三郎の存在感もちょっぴり弱かったかな。リーマンの方が割と心理描写が丁寧で読みやすかったかも。でも時代物も良かったので楽しみにしています♪

2014/04/06

[1039kuri]

表題作、お姫様を慕う荘太君が可愛くて泣けました。もうちょっとお姫様と何かあれば良かったのにね。 現代劇の「新しい武器」は、その斬新な切り口に唖然となりました。三人の男の子の三人なりの個性というか、事情というか。特に染谷君の「心にあいた穴」がさりげなく深くて、切なくなります。

2013/05/29