内容説明
二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見された。自殺説が支配する中、不審を抱いた刑事矢田部が執念の捜査を始める。体温を保ちながら死体を長距離運搬するには? 死体の靴の中から見つかった五色石の破片は? 一つ一つ難解なトリックが解明され、三つの事件を一本の糸で結ぶ建設業界の凄まじい陰謀が見えてくる……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
25
女性を軽んじる男は、女性に身を滅ぼされる、か。 最後新聞記事風に事件がまとめられてたけど、もっと取り調べの様子とか見たかったかも。2019/02/16
matsu04
23
下巻になって展開は一変する。物語自体も県警所轄署の部長刑事・矢田部の捜査活動が中心となるが、この中年の田舎刑事、見た目はパッとしないようだがなかなかに冴えている。が、最後はまあ、長いモノを読まされた割にはこんなものかなという感じではあった。あの時点で逮捕状が出るのは何とも不思議。(再読)2023/01/23
かわちゃん
22
☆☆☆☆ 下巻、読了しました。濃厚な清張ワールドを堪能できる小説でした。上巻の巻き込まれる男から一転して、下巻はいくつかの殺人事件を追う刑事の視点へ。視点が変わることで、土建業界の談合と政治の癒着といった世界の構図が、物語の全体像につながるあたりがさすがでございました。上巻でも感じた映像を見ているような、テンポある展開と謎を隠しながら転がしていく場面転換は、下巻でも秀逸。ある時代を緻密に写した名サスペンスと納得でした。ジ2015/06/05
ふう
18
読了!清張作品の中でも特にお気に入りです。長い物語でしたが特に下巻の刑事目線の展開はテンポよく楽しめました。 2015/12/07
crazy cool joe
11
ゼネコンの裏側が上手く描かれていると思う。鉄の骨を思い出した。死体移動ののためのコンクリートミキサーや、ホテルに死体を入れるトリックはちょっとあれな気がするけど昭和感あふれる話で面白かった!2016/03/15