内容説明
一族の誰もが欲しがる家宝の水差し。その相続を巡って、結婚や離婚、恋や駆け引きなど様々な思惑が複雑に交錯する。やがて水差しの魔力は一同をとんでもない事件へと導くが……モンゴメリ円熟期の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
井戸端アンジェリか
17
たった1個の水差しを巡って、それぞれ60人に及ぶダーク家とペンハロウ家の組んず解れつワーワーギャーギャー。登場人物の名前を把握するだけの数日間を抜けると、なんとドラマチックで楽しいことか! ほぼ全員血が繋がっているので、悪口もイザコザも退屈しまくっている爺様婆様たちへの元気の源に思える。全て収まるところに収まったようで、めでたしめでたし。2021/10/18
きりぱい
8
由緒ある水差しの相続をめぐって、ダーク家とペンハロウ家に起こる騒動なのだけれど、ぞろぞろ出てくるキャラは一族ばかり。モンゴメリ自身名前をごっちゃにしていて訳者が直したのだとか。虚栄あり嫉妬あり、ロマンスは若者も中年も関係なく生まれ、それに口を出すシルバー世代と、親戚中のドラマも多彩。見かけに恋したり冷めたり、真の愛を見つける者たちはまあいいとして、男女間の温度差を、女が許さない男の振る舞いで鋭く描き出したドナの話が面白い。一番好きなのはマーガレットの話。ほんと「終わりよければ総てよし」という具合に収まる。2012/12/09
Mana
7
ミステリなら人死が大量に出るだろうけど、そういう話ではなかった。一族最年長のおばさんが死んだ後、家宝の水差しを誰が相続するかで一族の者たちが右往左往。登場人物がごちゃごちゃしてるけど、面白かった。最後の結末も満足。2020/07/14
LittleLily
6
ダーク家とペンハロウ家をめぐる群像劇。登場人物があまりに多い(しかも名字が被りまくり)のと、序盤で物語の方向性が掴めず挫折しかけましたが、その分、風呂敷が畳まれ始めた時の面白さはさすがモンゴメリといったところ。読了までに時間が掛かってしまったせいで、終盤「この人誰だっけ?」になってしまったのが残念。もしかしたら二周目が一番楽しめそう。2023/05/31
Kotaro Nagai
6
最初登場人物の多さにちょっと戸惑いますが、我慢して読んでいくと、大団円にたどり着けます。2009/09/13




