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内容説明
あの“肝っ玉おっ母”が新訳で生まれ変わった! 十七世紀、三十年戦争下のドイツ。父親の違う三人の子供を抱えながら、軍隊に従って幌車を引き、戦場で抜け目なく生計を立てる女商人アンナ。度胸と愛嬌で戦争を生きぬく母の賢さ、強さ、そして愚かさを生き生きと描いた、劇作家ブレヒトの代表作を待望の新訳で贈る。キャリアウーマンでシングルマザーで女盛り、母アンナはこんなにも魅力的だった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
molysk
56
17世紀、カトリックとプロテスタントが血みどろの争いを繰り広げた、三十年戦争。焦土と化したドイツで、転戦する軍隊を追って物を売る、女商人アンナ。兵士相手の丁々発止のやり取りを、度胸と愛嬌で切り抜ける。アンナが自分の命を危険にさらしながら、それでも守りたいもの。それは、自分の子どもたちだった。だが戦争の惨禍は、ひとり、またひとりと、アンナから愛する子どもを奪っていった――。戦争という泥のなかで、子どもたちを守るためと信じて、軍隊に従って自らも泥にまみれていった母アンナは、聖女も娼婦も超えた存在になった。2022/11/26
Nobuko Hashimoto
17
先日読んだ『編集者の読書論』で知って。舞台は30年戦争時代、父親の違う3人の子を連れて、従軍商人として幌車一つを引きながら欧州中を回る「度胸アンナ」の物語。勇敢な息子を軍隊に、正直な息子も軍の会計係にとられ、幼少期のトラウマで口がきけなくなった娘と2人になる。娘や、知り合った従軍牧師や軍隊の料理人、娼婦らと助け合いながら戦乱の世をなんとか生き抜こうとするが…ナチから逃れて亡命生活を送りながら創作活動を諦めなかったブレヒトの戦争への皮肉が効いている。なお、これまでの邦題は『肝っ玉おっ母とその子どもたち』。2024/07/31
fseigojp
17
30年戦争のことを勉強する傍ら読了 たくましいオッカサンだった 1648年、ウエストファリア条約で近代ヨーロッパが始まったが、戦場であったドイツは領邦国家のままになり1871年にやっと統一(ちなみにイタリアは1860年、日本は1868年) 健全な市民社会の形成が遅れたことがファシズムにつながった2015/08/06
roughfractus02
12
従来の邦題は原題に従う『肝っ玉おっ母とその子どもたち』だが、本書は主人公である母にフォーカスした邦題のようだ。主人公は17世紀前半の30年戦争を舞台に軍に食糧を売りながら子供たちを育てるアンナである。長い戦争の間アンナがCourageと綽名されるほど懸命に働く中で、子供たちは成長し、徴兵され、戦死していく。この過程をを淡々と描く著者は、戦争で子供を失い悲しみに暮れる母が当の戦争で稼いでいる点を強調し、背景にある戦争自身に観客の注意を促す。本書は戦争の正義を謳うプロパガンダが蔓延する1939年に上演された。2026/08/10
1.3manen
7
1939年初出。解説によると、世界恐慌の頃、経済学や社会学を学んだという(187ページ)。従軍牧師曰く、「私が言いたいのは、平和は戦争の中にあり、戦争も平和だ、ってことです」(109ページ)。違和感がある。平和が戦争にあるという指摘は、平和にも戦争にも線引きはないという、人間の総合性にあるのか。ブレヒトという劇作家は、台詞から訴えかけられるストレートなことばが醍醐味に思えるが、社会科学の知識も台詞に活かされているのは、多くの読者に影響力をもつのだろうと思える。2013/02/17
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