内容説明
疋田香織(ひきたかおり)の母・瑛子(えいこ)が会長を務める団地共済会には団地外の何十戸かの住民も参加していた。ある日、団地に住む男性が団地外の住民を殴り、被害者が亡くなってしまう。新旧住民の間に深く渦巻(うずま)いていた「対立」が一気に顕在化(けんざいか)する。高校からの帰宅途中、事件の瞬間を目撃していた香織は、瑛子とともに騒動に巻き込まれていく。何気ない日常に潜む不安を描いたサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかなし
21
イヤな気持ちになりますが、母子がいったいどれぐらい落ちるのだろうとワクワクしてしまった自分がイヤだ(笑)まあ赤川さんのマリオネットみたいな感じですかね。あれのほうが好きですが。団地のドロドロがドラマみたいですぐ映像に起こせたので読むのは苦ではなかった。2018/11/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
3
顔のない十字架 棚から落ちて来た天使 うつむいた人形 などと,「ミステリー劇場」という分類になっている。 団地と旧住民の間の軋轢 フリーライタと雑誌 昔の同級生 いくつかの要素を,限られた人間関係の中に埋め込んでいる。 人が亡くなったことの責任をどうするのか。 最後は,あっけなく終わって行く。 なにか違う。 なにかおかしい。 何か物足りない。 それが現代社会なのかもしれない。 団地における家族と近所づきあいの実態なのかもしれない。2012/05/05
がじゅ
3
火曜サスペンス劇場をそのまま小説にしました、という感じ。2012/04/08
quiz9
3
子どものころ、 赤川次郎は主人公視点でしか読めてなかった。 醜い大人だいっ嫌いだ!って でも、醜い大人じゃないんだ。 普通の大人。 窮地に陥ったときどう対処するかが 醜い大人になるか、そうじゃない大人になれるかの試練なんだな。 大きな試練に出会ったとき、 自分のなりたい自分であるために 小さな試練のときに自分で自分を鍛えておかないと・・・2011/08/19
菟原手児奈
3
主人公、その母親に救いがない。 赤川次郎にしては珍しく(?)勧善懲悪ではなかった ★★★★☆2011/09/21