内容説明
馬、ウサギ、ニワトリ、カメ、猫たち…動物に囲まれ、夫婦で自給自足の生活を送る著者が、房総の丘から届けるエッセイ集。愛馬シューティが生まれた瞬間の感動、雨不足の田んぼにやきもきする日々、タケノコやイワシなど旬の食べ物に養われる喜び、農場に出入りする高校生や思いがけない居候、馬で旅したモンゴルでの発見──著者の小説世界を育んできた源泉を知る一冊。冒頭にカラー画像満載の「楽園アルバム」、そして驚きの最終章「──そして、さらなる旅へ」を収録。
目次
春(「のんびり田舎暮らし」のうそ;寿限無とオスワリ ほか)
夏(踊る宗教;悲しき試着室 ほか)
秋(びゃくがくむ?;労働へのご褒美 ほか)
冬(奪われゆく声;苦肉の策 ほか)
ふたたび…春(食い意地っぱり;それぞれの春支度 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
52
自然に囲まれた鴨川での生活が紡がれていました。米作りをし、動物の世話をし、自然体で日々を過ごすのに憧れます。2020/08/31
hirune
45
一目惚れした馬と暮らすために農場を一から作り上げた村山由佳さんのエッセイ。米と野菜と玉子を自給自足し、たくさんの動物たちと暮らす田舎暮らし。山のような労働と色々な条件と柔軟な創意工夫の能力と強い意志がなければできないけれど、得られる喜びも大きい羨ましい暮らしです。馬がゴロンと横になって爆睡できるなんて、本当に楽園だなぁ^ ^村山さんの文章は好きになれそう。小説も読んでみたいと思いました。2015/05/13
hisato
40
田舎暮らしに憧れてしまう内容です。そんな憧れだけでどうにかなるとは思ってませんが、読んでいくと物凄く楽しそうで、でも物凄く大変そうで、でも自分で生きてるんじゃないかって実感できそうです。 というか、村山由佳さん、物書きとは思えないほどハードワークな生活しているなぁと思います。この方の他の作品もそうですが、生きてるってことをよく考えさせられるものが多い気がしました。 それと 『いけないんだよ、悲しむから。』 途中にさらっと出てくる言葉ですが、この本の中で一番重い言葉でした。2016/09/27
UK
33
初読み作品がエッセイなり。著者自身の田舎暮らしを描く。「地べたと食いもんさえありゃなんとかなる」そうして自由になれるから書きたいことが書ける、という著者の生き様がいい。媚びて生きてるもんなあ→自分。生まれて死に、そしてまた生まれてくる動物たちとの一体感もうなずけるものがある。安易にこの大変な暮らしができるとは思わないが、生命の自然なあり方を垣間見せてくれるなかなかに素敵な本。うん、小説も読んでみる☆2016/10/25
佐島楓
32
エッセイ集。自然というものは、手なずけようとすればするほどままならなくなるというのを田舎暮らしから学ばれた村山さん。そして、作家としてのご自身も、また・・・。環境に作品が大きく作用することが顕著に理解できた。自分の信じる道をゆくことができる幸せとなぜか不安も感じた。2014/08/05