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内容説明
こんなにわがままで深い対話があっただろうか!?“ならず者”の哲学者と“ふつう”を尊ぶ思想家。二十年にわたり論壇で異彩を放つ同世代の二人が、五年前に邂逅。「人間づきあい」「ものを書く理由」「善悪」「愛」「幸福」「未来と死」「哲学と人生」の7テーマで、殴り合いの往復書簡が始まった。そこで浮き彫りになった感受性と信念の明瞭な違い。「小浜さんの本を読むと、そのまともさにイライラします」「中島さんはワルぶってるけど、まともな常識人でしょ?」――どんなに言葉を尽くしても、人はわかりあえないものなのだ。そんな絶望的な存在だからこそ見えてくるものがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
31
中島義道と小浜逸郎による往復書簡。人について。人生について。幸福について。価値観も思想信条も何もかも異なる二人だけれど、両者ともに好きなので、そのぶつかり合いや、決して交わらない感じも心地良かった。誰かの考えにハマり染まる時期というのは人生の一時期に必要なことだろうけれど、その先にはその誰かすら養分として、様々なモノの上に自分だけで自分の標を打ち立てなければならない。哲学者と思想家による対話を眺めながら、これを読みここから生まれた何かがまた自分の新しい標の一部になるんだろうなと予感する。2019/03/24
めがねまる
17
哲学者・中島義道と思想家・小浜逸郎の往復書簡…というよりぶつかり合い。世界観や人間観が基本的に異なっている二人が「他人とのつきあい方」「善悪」「愛すること、嫌うこと」など個別のテーマを題材に一通ずつやり取りする書簡は、順番(中島→小浜)のせいか中島さんのほうが分が悪いように見える。あとがきによるとこれは出版に至るまでの経緯があり、小浜さんを立てるための構成のようだ。小浜さんに度々「青臭い」「傲慢」「自意識過剰」など言われているが私は中島義道さんの考え方に惹かれた。ただ、これを一番最初に読むのはキツかった。2018/08/14
ichiro-k
16
哲学に興味を持った動機はなんなのかを読了後にフト思う。小事にかまけていた若い頃には考えなかったが、人生の終わりに近づき「自分とは一体なんだったんだろうか」という漠然とした疑問が湧いてきたからだ。今のところ、中島義道のように「ぐれる」ほど強くもなく、小浜逸郎のように「普通主義(自分なりの命名は「マジョリティの本能主義」)」にもなりきれず・・・といったところだ。どうにもこうにも納得するまで、時間が足りない。世界観・人間観が違う人間がわかりあえるはずがない。2011/01/01
lily
6
わかりあえないことを前提として、やり取りできるって羨ましい。自己へと新たな気づきがあり、真実をウソで装う倫理観から発展した時に、より高度な快、幸、希望があるだろうから。今はお互い交流ないのかな?2019/04/11
ががが
3
読み進めてく程にタイトルの通りのことを実感した。白黒つけるというよりも二人の相違点を明確にするという基本スタンス個人的にはよかった。他者に対してわかりあえないことを前提にした後にどうするか。それは相対主義的になるしかないように思える。2012/09/16
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