内容説明
人々のつながりの崩壊、ネットや携帯電話の急速な普及など、社会はこの十年余りで大きく様変わりした。戦後、犯罪を助長してきた歪んだ「自由」と「人権」、裁判所による前例主義、垂れ流しのネット犯罪への無策、過剰業務に忙殺される警察――女性と子どもをはじめ、誰もが「被害者」になる危険性はこれまでになく高まっている。日本の治安の今、そして刑事司法の病巣と処方を示す元警察庁キャリアによる渾身の提言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
5
2009年刊行。元警察官僚の弁護士。「ECPAT/ストップ子ども買春の会」の支援弁護士▲軽犯罪法は、〈正当な理由なく隠して携帯すること〉を感じている。鉄パイプや金属バット、小型ナイフをあらわに持ってりゃ不法じゃないのね▲〈国民が警察に第一に望むのは、犯罪の未然防止〉。ほか、取り調べの可視化には自白を取りにくくなるので反対してる。2017/09/17
たこやき
4
全体を通して、著者がかつて所属していた「警察」よりの論調になっているのが気になる。そもそも、著者の言う「治安悪化」からして、読んでいて正直なところ疑問だし、仮出所を巡っての部分では、正直なところ、ただの無知ではないか? と感じる部分もある。警察が、雑務に追われて、極めて多忙な状態にある、など、指摘のいくつかについては同意できるもののの、全体を通しては疑問を感じる部分が多い。2010/01/05
おらひらお
3
2009年初版。警察官僚から弁護士に転身した人の一冊。ほとんど、警察側からの視点で描かれています。たしかに被害者の立場に立つともどかしいところもありますが、警察権力の増大はあまりいいことがないような気もします。前例もあるし・・・。2013/06/28
Humbaba
2
警察の仕事量は飽和状態にあり,任せるべきところと自分で対処すべきところがあるという点,及び,加害者の人権を重視するのも大切だが,それ以上に被害者を大切にするべきというところは納得できた.2010/01/28
新橋九段
1
元警察官の書く犯罪に関する論考がいい加減であるという事例がまた増えてしまった。2020/01/22