内容説明
リディアはこれまでに2度癌を患い、そのたびに恋人を失った。苦しみと悲しみを乗り越えた今、念願の毛糸店を開き、そこで編み物を教えることにした。集まったのは3人の女性。みな、冷めた夫婦愛、不妊、初恋の再燃など、さまざまな悩みを抱えている。そんな彼女たちにとって編むことがしだいに癒しになっていくのを見ながら、リディアは穏やかな日々を送っていた。ところがある日、店に突然現れたハンサムな男性ブラッドを目にし、彼女の心は大きく揺さぶられた。その瞬間、恋に臆病なリディアの、世にも切ない物語が始まった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふわりん
10
編み物がテーマだということで興味がわき読んでみた。最初のページに編み図が載っていて、へぇ珍しい!著者が作家であり編み物の本も出すようなニッターなのでこのシリーズが生まれたらしい。ハーレクインは以前何冊か読んだけど、どれも同じような内容ですぐ飽きてしまった。でもこれは普通のハーレクインとはちょっと違ってる、登場人物一人一人が抱えてる問題はそのままアメリカの課題でもあり。ま、それはちょい大げさにしても甘ったるいだけの話ではなく、編み物のこともたくさん出てきて面白かった。まだ二冊あるのでボチボチ読んでみよう。2016/02/23
rokoroko
9
レシピがついたロマンスやミステリは良く読むけれどこれは編み図がついてる。編み物教室で出会う4人の暖かな恋の話。編み物30年以上やってないけれど、毛糸だまにふれたくなっちゃう。2018/09/19
choco
9
しっとりとした、それでいて胸が熱くなる展開の美しい映画を観たような作品。シアトルの再開発地区に開店した毛糸用品店を中心に四人の出来事が紡いで行きます。各々に抱えるものがあり、少しずつ交差しながら起こる出来事に喜怒哀があり、その悲嘆がとても心に響き、涙が。でも最後には違う涙。キャロルの展開が一番嬉しかった。陰謀も戦いもなく、淡々とした日常にこうも愛と優しさを織り混ぜて描けるものなのかと脱帽。2016/05/18
みこと
8
面白かった!自分が今編み物にハマっているのでなおさらでした。新しくオープンした毛糸店で行われる週一回の編み物教室。そこで出会った四人の女性たちそれぞれが抱える悩みや葛藤。全くタイプの違う四人なのにまんべんなく感情移入してしまいました。読んでてとても楽しかったです。作品中で皆が編んでいたベビーブランケットの編み図も紹介されていて、自分も編みたくなりました。このシリーズは三部作、なのかな。また次も読みたいと思います。2015/11/03
たまきら
5
人生って、結婚したらハッピーエンドってわけじゃないし、家族みんなとうまくいってるわけでもない。そんなリアリティ、でも、変えたくない?編み物が好きな自分にはニヤリなおはなしでした。すごくおもしろかった。母が乳がんを2回やっているので、主人公の気持ちが痛いほどわかったし、うちも長い間子供に恵まれなかったからこちらも感情移入しちゃう。でも、一番気持ちこめて読んじゃったのは夫の不倫に悩む奥様だったかな。いろんな年代の女性の悩みが伝わってきて、すごく良かった。いい映画になるんじゃないかなあ。2014/12/19