内容説明
浅井三姉妹を描く待望の戦国絵巻。花のような姫たち、茶々、初、江(小督)にはどんな運命が待ち構えているのか? 姉川の合戦から関ヶ原の合戦、大坂の陣まで、戦乱の世をたくましく生きた女たちを軸に物語は進行する。母は信長の妹お市、父は北近江の勇将・浅井長政。茶々、初、江(小督)の三姉妹は、秀吉、家康、三成らと絡みながら自らの人生を切り拓いてゆく。「小谷落城後の浅井三姉妹を二女初の目線で追った注目の近江戦国物語」小和田哲男<大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」時代考証・静岡大学名誉教授>
感想・レビュー
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ブルー
1
初が主人公で(副主人公が弟の喜八郎)は初めてでとても新鮮でした。秀吉とねねが苦手な優しいしっかり者の茶々(後半で頑固になる)、明るく自由な子供っぽい小督と3姉妹とも仲良し。猫のミケや祖母の阿古、叔母のマリア、見久尼、龍子も結構描かれている浅井一族本というか(^^)残念な点は高次の亡くなる前後、養女の初姫、喜八郎の妻子の扱いが書かれてなかったことでしょうか。読んでて苦にならない読みやすい歴史本で、三姉妹を楽しく読むことが出来ました。2012/02/24
ムク
1
茶々・初・小督の浅井三姉妹の数奇な人生を描いているわけだが、思い入れが強すぎて歴史小説に必要な冷静さと客観性に欠ける描写が随所に見られた。5W1Hをあまり省略しすぎると歴史小説は成立しなくなると思うのだが、作者は三姉妹に関わる歴史事実を読者がすべて知っていることを前提に書いているのだろうか。歴史的事実の描写を軽んじては説得力のある物語には成り得ないように思う。二女・初が主人公、さらに異母弟・喜八郎にも着目、という新鮮な切り口の作品であるだけに少々残念だ。2009/12/01