内容説明
日々戦争へと雪崩込んでいった昭和前期。そこでは何が企てられ、何が起きていたのか。本書は激動のさなかにあって報道に従事した著者が、その間に蒐め得た一級の情報と新聞人としての良心と技法によって著した史的報告書。張作霖爆死、さまざまな国家改造運動、二・二六事件、中国侵略の内幕、枢軸外交の失敗、日米交渉の真相、敗戦……。歴史を大きく動かした出来事でありながら、公表できなかった事実を敗戦直後、一気に発表。真実に目隠しされていた国民は一斉にとびつき、貪り読んだ。戦後ベストセラーの嚆矢にして、貴重な歴史の証言。
目次
張作霖の爆死
ファッショ団体を衝く
「宝刀」を抜いた関東軍
吹きまくる満洲颪
二・二六前後
中国侵略の内幕
事変処理の裏面
破局に導いた枢軸外交
日米交渉の真相
風雲慌しき南方基地
「和製ナチ」東条軍閥
軍艦旗落つ
「共貧圏」の確立へ