内容説明
老化は進化! 歳とともに自由に生きる! 真剣勝負で生きてきて、今、人生の晩年を迎える俳優・仲代達矢が、「加齢」の時を享受しながら本音で語る。――真っ赤な秋を真っ赤に生きる。決して戦うのではなく、老いも人間にとっての一つの“進化”として向き合いながら、その深く透徹した境地を味わい、誇り高く時間を重ねていけたらと思います。
目次
第1章 妻に先立たれるということ
第2章 どんな仕事にも下積みがある
第3章 役者は期間労働者
第4章 家族の肖像
第5章 教えることは教えられること
第6章 グランドフィナーレの幕が上がる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
4
どのような人間であろうとも,人は必ず死ぬ.それは避けようのない事実である.それならば,我々の求めるべきことは,人生の最期に自分が幸せであったと感じられるようにすることである.2011/01/22
しまちゃん
2
応援している劇団があるので、役者の生き方に興味があり、俳優の仲代達矢さんが書いたこの本を読んでみました。「達矢」という芸名は、優しいお姉さんが、「射手座だし、矢が目的へ達するように」との思いを込めて考えてくれたそうです。「舞台は観客も含めて、虚構の世界です。観客の笑いや興奮、涙や感動が直に役者に伝わり、相乗効果となってステージを盛り上げます。だから、舞台は同じ演目、同じ役者でも毎日変わる。同じステージは二度と生まれません。」と舞台が生ものであると書かれています。また、役者は人の気持ちを察することも大事。2015/11/28
Humbaba
2
生き物である以上は,老いてやがては死んでいくということは避けられない.大切なことは死なないことではなくて,どのように死んでいくのかということであろう.死ぬときに,良い人生であったと思えるような生き方,老い方をすることが人生において重要である.2011/09/28
いたち野郎
1
仲代さんの本では、以前に若手映画評論家によるインタビューを読んでいて、結構そことかぶるんですが、思いの丈を述べる、ってスタイルも同じですしね。ちょいと違うのは序盤の妻亡きあとの喪失感についてです。よほど持ちつ持たれつの関係だったのか、というかお互いを尊敬しあっていたんだなあと、こうした男女の関係を築ける夫婦はいったいいくらいることか、魅力的な人どおしが惹かれ合うというのは、めでたいことだなと。本の構成としては、一気に読めるけどでもなあというところはあります。役者でやっていけるのは何万人に一人!おそろし。2016/08/31
owawamure
1
率直な考えを率直につづった感じ。『遺し書き』とかぶる部分も多々あるけれど、日本屈指の輝かしい実績を誇る俳優が、どんなことを考えてきたのか、ということがわかる。グランドフィナーレがどうなるのか。2011/10/27