内容説明
龍神商事は年商二〇〇〇億の一部上場企業。社長の大日向はある日、再上場を視野に入れたMBO(経営陣による企業買収)を決意する。しかし強欲ハゲタカファンドが突然買収に名乗りを上げ、高値の買い付け価格を提案。会社を乗っ取られる危険性が高まる中、社内から思わぬ救い手が現れた――。壮絶な企業買収劇を描いた、衝撃の企業法律小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
52
この著者の別の作品に「MBO」と題する作品があるが、この作品のテーマもまたMBOだ。著者はビジネスロイヤーとして、MBOに特に強い思い入れがあるのではないかと感じる作品。物語の前半は、MBOが利益相反を孕んだ難しい案件であることが多方面から説明されるだけで、あまり動きがない。しかし後半、対抗馬としてサラマンダーファンドが登場してからは、会社のあり方をめぐって物語が大きく展開していく。取締役はその責務として、株主価値の最大化に努めているか? 会社にとって従業員の立場とは何か?大木弁護士はいかに振舞うのか!?2023/09/01
Walhalla
23
牛島信さんお得意の企業法律小説です。 著者の作品は、タイトルを見るだけでワクワクします。 国際弁護士でもある著者の作品は、いつも淡々としている感がありますが、とても勉強になりますね。 今回のテーマはManagement Buy-Out/Employee Buy-Outということもあって、作品中にたびたび登場する「利益相反」という言葉がとても印象的でした。 過去事例も交えながら、いろいろ知ることが出来て良かったです。2017/08/01
ぼうさん
2
弁護士だった著者が書いただけあってリアリティ満載でした。所々、文章が読みにくい感じはあったがオススメの一冊です。2016/02/17
ひろしま たろう
2
なかなかじれったい展開でしたが、この人のシリーズは、やっぱり専門知識があまりなくても理解しやすい方だと思います。 ただ、こういった本を読むにつけ、会社経営は大変だと思います。 一寸先は闇、とは言え、こういうことが起こったら、どんな道になるのかな?とか思ってしまいます。家族がいながらの決断は相当悩むと思うのですが、あっさりとCEOとなるところは、そんなもんかなあ~とか思いましたけど、まあ、それも良しとします。 経済小説好きには、良いと思います。2015/01/12
Ayumu Honma
2
牛島信は初めて読みました。企業法律モノとしては案外読みやすかった感じです。企業買収の仕組等も勉強になりました。ただ、こう上手くは行かないだろうな感は否めない気がしました。でも、牛島作品は他のモノも読みたくなりました。2013/04/02