内容説明
1999年。「大予言」は大いなる肩透かしで終わったかに見えたが、異変は「病」の形を借りて密やかに始まっていた。その病の申し子である「美しき異形の少女」の、数奇なる運命を描くファンタジック・ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優愛
13
継ぎ接ぎの少女の名はビスケ。作中に登場する病名とその症状が全てお菓子に絡めたものだった所が斬新で面白い。人類は滅亡する――そう断言しながらもその中で出会った全ての人を忘れまいと奮闘する人間ではない少女の美しさに胸を打たれずにはいられなかった。「愛して。愛されて。夢と願いを叶えて不相応なぐらいに満たされた。なのに、なぜか涙が零れた」遺伝子と記憶は時に残酷なほど正直だ。この一文が誰よりも人間を愛した少女の全て。きっと少女はもう一人では生きていけない。また新たに出会う人間の温もりを傍に感じて初めて生きていける。2014/11/15
星野流人
11
初メガミ文庫。奇妙な病に侵された少女たちの身体を繋ぎ合わせて生まれた少女の、ダークファンタジー。日日日さんの作品の中でいちばん好きかもしれない。心理学や生物学等の専門用語を交えながらのストーリーは非常に奇妙で興味深かった。またストーリー自体も物悲しい雰囲気が終始あり、非常に引き込まれた。人間ではない“フランケンシュタイン”という怪物の苦悩という、伝わりにくいテーマながらも実に上手く描かれていたと思う。 「はつ恋あげは蝶」の、持ち上げてから突き落とすラストは、非常に印象的だった。2012/07/15
ささやか@ケチャップマン
8
やはり日日日の書くものは骨があってよい。身体が腐敗して別の物質に置き換わる奇病が発生した世紀末において、その病変部位をつなぎ合わせて作られたお人形ビスケが意思を持ち動き出す。参考文献を見るとこの小説のために遺伝子などについてよく勉強していたことがわかるし、そういう下地があるから読んでいて面白く感じる。ラストのビスケの理由はなるほどなあ、という感じ。メガミ文庫というドマイナーなレーベルから出ているが、後に講談社BOXから完全版が出ているらしく、どう加筆修正されたのか気になるところ。2016/11/05
†漆黒ノ堕天使むきめい†
7
色々なお話が混ざり合っていて、複雑だなあ。しかし人間とは何なのか。人工知能は人間と遜色なくなったら、どうなるのか。色々と創造力を掻き立てる作品ですね。2016/04/17
ななみん
7
カテゴリとしてはSFなのかな? ラノベとは言えないくらい読み応えのある作品でした。 日日日さんらしさもたっぷり詰まった絶望風味は物語の序盤からなんともいえない世界観でもって作品にぐいぐいと引き込まれていきます。ラストシーンはちょっと唐突すぎる感もあったけど。尺の問題ですかね? これだけの物語を1冊で納めれる才能はお見事です。 下手なラノベのシリーズ1本分くらいのボリュームがあったような気がします。 2011/07/20
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