内容説明
なぜ彼らは殺戮者と化したのか? 秋葉原、池袋、下関、大阪教育大附属池田小、コロンバイン高校、ヴァージニア工科大……犯人たちの生い立ちと肉声を克明に辿っていくと、六つの共通要因が浮かび上がる。果たして、凶行への「最後の一線」を越えさせたものは何か? 気鋭の精神科医が徹底的に考え抜く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mana
97
図書館本。無差別殺人は「拡大自殺」であるという。無敵の人は自殺を考えながらも、社会などへの憎しみ(投影)を持って犯罪へと走ってしまう(破滅)。環境的要因も大きいが、何よりも気質的なものが原因となっている。しかし、専門書ではないので、深いところまで言及がなかったのが残念。レヴィンとフォックスの6つの要因など、ポイントとなるものはいくつか書かれていたので、論文をあたってみることにしよう。2025/08/07
のの
19
途中から議論が「対象の喪失」から「喪の作業」にすり替わっていて「んっ?」ってなった。どっから「喪の作業」が出てきたの…? 最終的に共同体の崩壊とか無縁社会の方向に話を持っていけば着地できると思ってるんでしょ…と言いたくなってしまう、特になにか実りがあるわけでもない結論に、精神科医が書いてもこんな感じかー!と思わざるを得なかった。何を期待していたの?と聞かれても困るんだけど。そしてそもそもあんま精神分析らしいことしてなかった、という。新潮選書ってこんなものか…。2013/11/10
SKH
7
著名な「通り魔」的事件を事例に挙げ、精神分析の手法にて共通構造をあぶり出し、無差別殺人における「心」のメカニズムを徹底解析。レヴィンとフォックスの「大量殺人を引き起こす6つの要因」を軸とした考察は論旨が明快。「肥大した自己愛」「対象喪失に対する脆弱さ」、「投影」の作用、被害妄想形成のメカニズム。2015/01/15
たこやき
6
国内4例、米国2例の無差別殺人について綴った書。ただ、人口1億人超で未遂・予備を含めて1300件と例外的事象の殺人。その中で、年間1桁台とこれまた例外の無差別殺人。その中の4例と例外中の例外中の例外を一般化して意味があるのだろうか? しかも、分析と言いつつ、それは週刊誌報道を読んで「こうではないか」と言うだけのもの。強引な解釈も多い。ただの読書感想文としか思えない。2009/09/13
gtn
5
無差別殺人とは、拡大自殺であるとの見解に納得。自責が大きすぎて、自分を滅ぼすのみでは足らず、抹殺対象を拡大するという筋道。いじめ、ヘイトスピーチ、体罰等々多かれ少なかれ今の風潮にも重なる。2018/01/21
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