内容説明
乱世に、徳川家康を震撼させたとして名高い真田一族。父・昌幸、弟・信繁(幸村)の陰に隠れ、地味ではあるが、徳川家に臣従し沼田城主、上田藩主として家名を存続させた才気と忠義あふれる嫡子・信之の、葛藤と忍従の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウチケン
7
「2009年初版発行」それ以来の再読。当時は、信之のイメージを田辺誠一として読んでいたが、大河ドラマの影響で大泉洋で読んでみる。(その他も大河キャストで)ドラマとはキャラクター設定の違いはあるものの、意外にハマった配役に、ドラマを2度楽しめたかのよう。ドラマとも『真田太平記』とも違う【漢/オトコ】信之像に視点の違いによる面白さを味わう。主人公であるが故か、信繁よりも一枚上手な格好良さに惚れる。家督を継ぐ長男たるもの、こうありたいと言う鏡。徳川との関係も興味深い一説。秀忠もある一定の理解をしていたとか?2016/09/11
あきさお
1
戦国の乱世の中、信州の小領主の真田家の命運をかけて奔走する信之の苦悩がよく描かれていた。もう少し信之の治世の話を読みたかった。2016/04/15
美亜希
1
あまり語られない信之の話なのでかなり自分の中でハードルを上げてしまったのがいけなかったのか、信之が最後まで「普通の人」だったのがちょっと物足りなかった。あの曲者の父と弟を持っているのだから少しでもそんな面を見せてくれたら「おお、やはり真田の血!」って感心したのだけど、彼らの行動に胃を痛める所謂「殿といっしょ」の信之であった。でも、酒井以外の徳川四天王を従えて父親達の為に奔走したところは流石!彼らを後ろ盾にしてなんてこんな説得力ないでしょ。これも、信之の人柄故か。2013/06/03
BIN
1
弟と父が有名すぎて影が薄くなってしまう真田信之を描いた作品。前半はなにげに戦上手ぶりを見せ、後半からは戦働きはあまりないが堅実さを見せる。少し短めであまり深くは書かれてないい。地味だけど信之は、2代目にはちょうどいい人物だなと思う。小笠原貞政との友情もいい。あとがきにある小野お通はちょっと気になる。2013/01/11
らき
1
なんだか表面をさらっと流したような感じが…。信之の人間味は感じられました。2010/11/02