内容説明
「小さな自由さえ思いつけなくなってしまった、そんな世代にこそ言いたい。自分だけのものすごい、でっかい、たくさんの、お墓に入るときににんまりしちゃうような思い出を作ろう! と。」(あとがきより)人を愛すること、他の生命に寄り添うこと、毎日を人生の旅として生きること。胸を熱くし、心を丈夫にする著者のエッセイ集最高傑作。
目次
ピラミッドが見ている
オーストラリアで出会った日本
ローズマリー
どうせ行くなら
かっこいいおじいさん
寒かった
マテ茶の神秘
ゴゾ島のビーチ
ひすいのお話
珊瑚〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
56
旅に纏るものもあるけど、短いエッセイ集。この人の感受性の特異さ想像力の豊かさは本当に素晴らしい。でも、思い通りに行かないと拗ねてしまう姿は未成熟だし(そういうの書かなきゃいいのに)、単なる個人の意見や感想をまるで普遍的なもののように押し付けてくるのが嫌。長く犬猫と暮らしているのに、まるで物みたいにペットショップで買って来ちゃったり、残り物で餌作ったことを誇らしげに書いたり(犬猫好きな人なら生肉など使って自作することは珍しくないでしょ)、否定されることの少ない子供時代だったんだろうなあ。好きになれない。2019/12/04
りずみぃ
45
全体的に人生の祝福に満ちたエッセイ集。ただし、たった一遍「すいか」を除いては。私の「ばななさん像」は「自分の知名度に上手く折り合いをつけながら、地に足をつけて日常を切り取ることの出来る作家さん」そこが根底から覆るような選民意識ダダ漏れの一遍に、有名でありながら普通の感覚を持ち続けることの難しさを感じた。大好きな作家さんだからこそ厳しい事を書いたけど、愛犬とのお別れの切なさ、初恋の焦れったさは、本当に秀逸。 2019/02/11
ゆか
41
よしもとばななさんのエッセイ。旅行と子供と飼ってるワンちゃんの話が主。自分の飼ってた猫ちゃんやワンちゃんを思い出した。いつも飼い主を思っている姿に胸キュンです。この本を読むと、旅行に行きたくなる。それにしても、よく海外旅行に行ってる人だなぁ〜と。普通の会社勤めしてると、そうそう行けるもんじゃない。てことで、国内旅行に収まってしまう(笑)近くの海外よりも、国内旅行の方が高くついたりするんですが。執筆者として成功してるのに、喫茶店でバイトしてるところに、何だか共感しまくりで、店長の話にはウルっとしてしまった。2017/03/19
Kei
23
時々ものすごくハッとさせられる文書があって、ばななさんのエッセイ初めて読んだけど、、ばななさんなんだかすごいわ…わんこの別れで号泣した…2019/03/26
yuki**
16
ばななさんを知りたくて、初エッセイ。感性がとても豊かで敏感な方なんだなという印象。共感できるところもあったり、そうでないところもあったり、話を聞いてるようで面白かった。印象的だったのは「この世の中のどんなことも、いつかはなくなり、どんなに行きたくても、行けないところになってしまう。だから、この生涯に、思い出をいっぱい集めていきたい」という言葉。哀しみに焦点を当てるも、そこから光を見出していく力を感じたりもする。ばななさん、まだまだ追いかけます。2017/09/15