「死の美学化」に抗する 『平家物語』の語り方

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「死の美学化」に抗する 『平家物語』の語り方

  • 著者名:高木信
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787291875

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内容説明

七百年の時空を超えて『平家物語』は、死を美学化するものとして享受されてきた。能や歌舞伎、国語教科書の教材、小説・マンガと形を変えながら-。その固定的な視点・読み方を脱構築して、「常識」を打ち破るものの見方を得る題材としての『平家物語』の可能性を示す。
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目次

凡例

はじめに

第1章 教育/権力/物語――もう一つの〈源/平〉合戦
 1 〈失恋の美学化〉に抗して
 2 テクストは〈教育〉する
 3 もう一つの〈源/平〉合戦

第2章 「教えられるのか」/「どう学ぶか?」という問題構制――〈理論〉が拓く地平
 1 廃墟としての日本文学研究――〈戦前〉としての「いま」を生きる
 2 テーマをめぐって――「文学教育」をめぐる問題系
 3 〈学ぶ〉ということ――模倣と創造
 4 インタレストから〈理論〉へ、そして不可能性へ――諦念を越えて
 5 文学教育の抑圧性――いまブンガクは読まれていないのか?
 6 『平家物語』を〈教室〉から救い出せ!――〈死〉の美学化に抗って

第3章 知盛〈神話〉解体――教室で『平家物語』を読むことの(不)可能性
 1 教室で『平家物語』を学ぶということ
 2 知盛の享受史
 3 覚一本と延慶本の知盛
 4 覚一本の知盛の文脈
 5 知盛の見たもの/見なかったもの
 6 知盛の美学化が差別化する失敗者たち

第4章 〈父―息子〉の『平家物語』――アンチ・ヒーローとしての宗盛の可能性
 1 〈家〉から排除される宗盛
 2 〈家〉と『平家物語』
 3 戦場の宗盛(1)――〈主体〉になれない宗盛
 4 戦場の宗盛(2)――〈父―息子〉関係の悲劇
 5 〈父―息子〉関係の悲劇
 6 涙を流す宗盛と涙の対象となる宗盛 
 7 言いよどむ物語

第5章 〈貞女〉の檻――〈知〉にダブルバインドされた小宰相
 1 〈貞女〉死すべし――「男と女の間には」
 2 〈女〉/〈男〉の行く/逝く/生く道――「思いこんだら、試練の道を」
 3 〈貞女〉という拘束――「鍵をかけて時間を止めて、君がここから離れないように」
 4 〈貞女〉としての小宰相――「ねえ、言って、ちゃんと言って」
 5 〈地獄〉の妊婦――「時には母の ない子のように だまって海をみつめていたい」
 6 〈怨霊〉化する小宰相――「うらみます あたしやさしくなんかないもの」
 7 〈知〉のはざまの小宰相――「私、嫌いな男のタイプはフェミニストです」

第6章 熊谷直実の〈まなざし〉――死者の魂を分有する
 1 「敦盛最期」の冒頭部
 2 「狂言綺語の理といひながら」――覚一本の成立
 3 最期譚としての「敦盛最期」
 4 真/偽のコード――延慶本の場合
 5 熊谷の〈まなざし〉――覚一本の場合

第7章 建礼門院の庭――『源氏物語』を読む〈女〉
 1 狂言綺語の理
 2 建礼門院の庭
 3 鎮魂の位相

補章 マンガでよむ『平家物語』的世界――増殖する『平家物語』、あるいは物語へのとば口

初出一覧

あとがき

軍記物語章段名索引

軍記物語以外の本文一覧と索引

研究者人名索引

キーワード索引