内容説明
名著『武士の娘』から明治人の美徳を読む
激動の明治時代を生きた女、杉本鉞子(えつこ)(1872―1950)。戊辰戦争で賊軍と呼ばれた長岡藩の筆頭家老の娘として生まれた彼女は、13歳での婚約、渡米、二女の出産、夫の死などを経て、アメリカで自伝的エッセイ『A Daughter of the Samurai』を著した。その本はたちまち大きな反響を呼び、世界7か国で翻訳され、日本でも『武士の娘』として出版された。
武家の躾、男の覚悟、女の道、夫婦の絆、親の看取り――名著に活き活きと描かれた「明治人の美徳」を、鉞子と同じ長岡出身の櫻井よしこ氏が読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
72
どの民族も現在を生きる人同士の横糸と過去を生きる縦糸により織りなされている。しかし、現代日本人は、江戸〜明治に生きた人のことを理解していない。それを伝えようとする櫻井氏の本。例えば、教壇を取り払い平等とする先生と生徒の例や、世界で1番子供を大事にするという日本人のことや、古来日本人は今生きている人だけがこの国の主人公てはない考え方を持っていたこと等の例示を江戸〜明治期の武士の娘を範に述べていく。我が身の顧みと、考えさせられる本てあった。2017/05/21
donboo
15
明治という時代に結婚のため渡米。明治、大正、昭和と生きた杉本鉞子という女性。夫に先立たれながらも米国在住中に著した「A Daughter of the Samurai」がベストセラーとなる。諸外国から見た日本人、武士の教えとはどのように映ったのか。櫻井よし子さんの視点で読み解く。邦訳版「武士の娘」は理想と現実の狭間で揺れ動く現代人(自分自身)が読むべき書なのかもしれない。2017/03/18
和草(にこぐさ)
11
杉本鉞子さん著「武士の娘」を題材にし、明治の人の志の高さが書かれています。家族の形態が変わり、躾や挙措を身近に教えてくれる人がいないのが昨今の日本の稚拙さを生んでいるように感じました。見習えることを少しでもできたらたと感じました。2014/02/11
よしひろ
6
秘する日本と見せるアメリカというフレーズが気になった。確かにそうだなと思った。女性の視点からの明治人の見方は新鮮だった。明治人というと、ストイックなイメージがあったが、祖先への感謝や愛情深い一面を感じた。2016/01/06
Mituya Hasegawa
4
現代の日本人が忘れた日本人の美徳を明治人・杉本鉞子の生涯を通して伝えてくれる一冊。日本人って素晴らしい!2013/06/13