内容説明
群雄が割拠した戦国時代において、手段を選ばず他人を蹴落として利をむさぼることをよしとせず、独自の「義」の思想を掲げ、己の道を貫いた異色の戦国武将・上杉謙信。その思いは、多くの若きサムライたちに受け継がれ、やがて歴史を動かす大きなエネルギーとなってゆく。本書は、NHK大河ドラマ『天地人』の原作者が、「義と愛」に生きた直江兼続をはじめ、信長の影の参謀である沢彦宗恩、秀吉の侍医にして政策参謀である施薬院全宗など、歴史の表舞台の陰で、己にしかできない仕事をしっかりとやり遂げた異才たちの魅力を描き出す。華やかな脚光を浴びなかったからといって、彼らの人生がつまらないということは決してない。むしろ挫折や苦悩の中から何かをつかみとる姿は、現代人に生きる勇気と指針を与えてくれる。『天地人』執筆にまつわるエピソードや、旅先で出会った旬の味なども盛り込んだ、歴史と旅の醍醐味を味わえる著者初のエッセイ集。
目次
第1章 「天地人」の人たち(故郷の天地人 義と愛―直江兼続の魅力 ほか)
第2章 異才発掘(西行と武芸 甲斐の黒駒―武田騎馬隊を支えた機動力 ほか)
第3章 歴史逍遙―北から南へ(北のバイキング、安東水軍の興亡 常陸鹿島―武神・武甕槌神坐す剣の聖地 ほか)
第4章 旅の作法(えごの味わい 城のある町 ほか)
第5章 日々悠楽(椿守 鮟鱇鍋 ほか)