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内容説明
なぜ私たちはかくも「無教養」になったのか。本書は、現代の日本人が見失った「独学の精神」をめぐる思索である。「ほんとうに大事なことは何ひとつ教えることなどできない」「学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかなされえない」―単純で大切な事実について、根っこから考え抜く。
目次
第1章 身ひとつで学ぶ(金次郎の独立心 学校嫌いこそ正しい ほか)
第2章 身ひとつで生きる(葦のように考えよ 知らざるを知らずと為せ ほか)
第3章 手技に学ぶ(大工仕事は貴い 教える愚かさ ほか)
第4章 農を讃える(狩猟の悲しみ 農の喜び ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
24
再読。今まで部分部分の示唆に富む言葉に振り回されていましが、本書を貫く軸にようやく気づきました。わりとはじめの方に書いてあったんですねー。軸が定まり、部分部分の理解が楽になりました。2018/09/10
nao1
20
大学教授が独学をすすめるとはいかに?大工さんが鉋をかける技術を習得するように、個人の体格、木の性質を知り尽くす、そして知り尽くしてからも常にどうしようかと考え続ける、そんなことは人に教えられるものでも、教えてわかるものでもない。/現在の誰でも同じように同じものを大量生産するという規格化された世の中への警鐘。で、最後はお米を食べることを強くすすめている。日本の精神の真理でもあると言い切る「米食」をし、分相応の労働をし、自分で考え続ける、という単純な生き方こそが独学の精神、そして生きる実感を得る道だ。2016/11/09
土瀝青
17
再読。本棚を整理していたら、見つけました。たまには、こういうものを読み返して、自分の中の浅い凝り固まったものの壊れる様子を観察してみるのはいい気分です。でもやっぱり、肉も好きだし、何が添加されているか分からないような大量生産された食品も捨てられない。2018/04/13
S.Mori
16
独創的な教育論です。今の日本の社会で普通に行われていることを真っ向から否定しています。学校で先生から教えられる知識は真の知識ではない。自分が体を使って、体で覚え込んでいくのが真の知識だというのが著者の主張です。その例として大工の仕事があげられています。米を食べようという4章の主張は行き過ぎです。それでもここに書いてあることは、学びについて考える時に良いヒントになるでしょう。食を全面的に他者に依存している私は特に1章が印象に残りました。二宮金次郎のようにまず食べるものを自分で作ることが大切かも知れません。2019/11/18
佐島楓
16
ノウハウ本ではなく精神論。昔職人さんになろうかなと悩んだこともあったし、今土地を借りて野菜を作っている身としても多少は農業について考えることができるようになった。大事なのは思索するということ、そしてその時間を確保することだと思う。でもペーパーテストで良い点取るのもある種の工夫や能力は必要ですよね。充実した授業ができるのが善き教育者。2011/11/05