内容説明
貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。音道貴子は、家主の今川篤行から店子の話を聞こうとするが、認知症で要領を得ず、収穫のない日々が過ぎていく。そんな矢先、その今川が殺害される……。唯一の鍵が消えた。捜査本部が置かれ、刑事たちが召集される。音道の相棒は……、滝沢保だった。『凍える牙』の名コンビが再び、謎が謎を呼ぶ難事件に挑む傑作長篇ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
424
まずはタイトルが魅力的だ。本書は音道貴子シリーズの第6弾。今回は上下巻にわたる長編である。今回の相方は、あの滝沢(今では警部補に昇進)。シリーズものでもあり、愛読者は彼らに懐かしさと親しみとを覚えるのであるが、そのことは裏を返せばマンネリの危険を孕んでいるということでもある。今回、乃南アサが採ったのは事件そのものの迷宮性を提示しながら、その一方ではそれを極めて地道に紐解いてゆく警察小説としての手法の組み合わせである。上巻の終盤では語りの速度が一気に上がり、急展開かと思わせる。期待を込めて下巻へ。2020/05/13
ehirano1
116
待ってました、音道貴子と滝沢刑事(皇帝ペンギン、しかし今回はなんとアザラシ!)。この二人、腹の中ではお互いを認め合っていますね。2016/04/01
yoshida
112
女刑事音道貴子シリーズ。下町の古い貸家の解体作業中に男女の白骨遺体が見つかる。そして物件所有者の老人が殺害される。音道は滝沢と班が組まれ捜査を始める。「凍える牙」でも組んでいた音道と滝沢。時間は流れたが、意外に関係はぎくしゃくとする。老人が入所していた介護施設のスタッフに聞き込みをする音道と滝沢は、2つの事件を繋げる可能性のある人物を見つける。哀しい結末の予感。この事件では無理心中として処理された事案がある。残された遺族は殺人の未解決事件と捉える。現在も不可解に捜査打切りとなる事件はある。興味深く読む。2021/06/09
タックン
104
再読。お気に入りの音道シリーズ第2作目。とにかく読みやすいのであっという間に1冊読んだ。上は事件の謎とか犯人捜しのミステリーよりも音道と滝沢コンビの会話とか音道個人の話なんかの心理描写に重きが置かれてるかなあ。やっぱ2人のコンビは面白い。最後にミステリーっぽくなってきたので下が気になるあ・・・・・。2014/08/19
りゅう☆
103
民家解体中に3体の白骨遺体発見。賃貸家主今川は認知症で埒が明かず、遅々として進まない捜査に悶々とする音道。一方、昂一の病気が発覚。何かしてあげたいと思うも別れても構わないとまで言い放つ昂一は再び仕事のため長期イタリアへ。そんなある日、今川が殺された。再び滝沢とタッグを組み老人ホームの聞き込み捜査を開始。丸くなった滝沢への戸惑い、クールで何考えてるか読めない音道。それぞれの視点から相手の探り入れを読み取れるのも面白い。施設スタッフ長尾に目をつけたものの、祖母に育てられ荒れた10代だった彼の悲劇に同情する。→2021/05/13
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