内容説明
元刑事・水木和俊は、大都会東京で挫折し、老母の待つ故郷の知床に帰ろうとしていた。だが、羽田空港で、十津川警部に拘束されてしまう。かつて水木に痴漢の汚名を着せ、その警察官人生を葬り去った女性を殺害した容疑者として……。世界自然遺産に選ばれた美しき知床と、真夜中に目を覚ます欲望の街新宿。対照的なふたつの土地を舞台に、人びとの愛、欲望、そして死が絡みあう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノンケ女医長
26
新宿署の署長が、突然辞表を提出した。女性問題をこじらせた部下の刑事を庇うため。でも、その退職には別の理由があった、というもの。いろいろな人が、それぞれに思惑を重ねながら人生を過ごしていく。人を追いかけ、遠くまで陸路や空路で旅をする様子もいいし、単身生活を過ごす高齢女性が、海岸に打ち寄せた昆布を干して生活の糧にする描写も楽しく読んだ。個人的に、日本で一番素晴らしい景観地だと確信している道東を、西村京太郎先生が描いてくれて、とても嬉しかった。2024/10/27
deria
8
数時間で読み終わるお手軽なミステリ。今作ではお馴染みの十津川警部は脇役で、ちょっとしか登場しません。それにしても相変わらず読点が多くて、読んでいて違和感を感じます。お客様に頂いた本2016/03/03
北の親父
3
結果が最初にあり、後からストーリーを肉付けしたみたい。2012/02/28
カツ丼
2
知床に惹かれて読んでみた。懐かしい景色が思い出された。この作品には列車はほとんど出てこなかった。こういう作品もあるんだね。2014/04/13
神岡宗介
1
元刑事の水木の視点で物語が進むので、新鮮な感じがしてかなり面白かった。物語も割と王道な感じで、スラスラ読めるのが良い。読点が他の作品より少なめなのも、読みやすさに輪をかけている。事件解決後の暮らしぶりが分かるのも中々良い感じ。2023/07/07