角川文庫<br> ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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角川文庫
ベンジャミン・バトン 数奇な人生

  • ISBN:9784042976035

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内容説明

老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きるベンジャミン・バトン。しかしその心は同世代の人間と変わらず、青春時代の苦悩や恋愛や結婚を経験し、戦争などの逆境に果敢に挑んでいく。不思議な人生を歩みつづける彼を、最後に待つものは……。(「ベンジャミン・バトン」)20世紀を代表する伝説的な作家による、ロマンあふれるファンタスティックな作品を集めた傑作選。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

126
表題作を含む7編の短編集。ベンジャミンは70歳の老人として母親の体内から生まれ(‼)世間との折り合いをつけるのに苦しみつつ成長(原初化・退行化?)してゆく。結婚し、息子が立派に成長した時点では肉体・精神はすでに息子よりも若くなっており、米西戦争では大活躍をしたものの、年齢が若返るにつれて相手にされなくなってくる。最後は悲しい結末だが全体的にフィッツジェラルドらしさがうかがえる50ページのファンタジーであった。2025/01/05

どんぐり

88
生まれたときは老人の70歳、身長170センチ(いったい子宮からどう出てきたんだ)、そこから若返っていく「ベンジャミン・バトン」。この奇想天外な物語が、小説では50ページの短編だったとは。最初の父親の驚愕の繕い、ベンジャミンが結婚し妻が齢を重ねて魅力を欠けていき、息子の年齢が交差し逆転していくあたりから、面白くなる。この物語の世界は、頭は子どもで、体は大人の「哀れなるものたち」(映画)にも通じるものがある。→2024/10/01

青蓮

84
読み友さんの感想から。「ベンジャミン・バトン」「レイモンドの謎」「モコモコの朝」「最後の美女」「ダンスパーティの惨劇」「異邦人」「家具工房の外で」収録。一番面白かったのは表題作。老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きる男の物語。映画にもなってるので、そちらも見てみたい。2015/10/15

chantal(シャンタール)

79
老人として生まれ、だんだん若くなって行く、そんな不思議なベンジャミン・バトンの生涯。フィッツジェラルドのファンタジーやミステリーものを集めた短編集。「ダンスパーティの惨劇」はなかなか面白かった。村上春樹がフィッツジェラルドが大好きで、「美しい文章」と色々な所で褒めており、これは村上訳ではないけれど、ほんとにそう思う。ファンタジーものなので??と思う内容や、あまり深く意味を求めちゃいけないのかなと思う作品もあるのだけれど、文章は流麗で読みやすく、スラスラ読めてしまう。とても良い短編集。2022/04/16

藤月はな(灯れ松明の火)

45
表題作は歳を取るたびに身体年齢が若返っていく男の一生。赤ん坊の時に80後半の御爺ちゃんとして生まれたベンジャミンは親からは愛されなかったけど、実は孫を敵対視していた祖父からは愛されたこと、老境に入った父の教えを受けながらも友人関係として結べたのは良きことだったのじゃないだろうか。ちゃんとシカゴ大学に復讐を遂げられたし(笑)でも愛した人と一緒に歳を取れずに最後は愛される子供の姿なのに家族から疎まれるなんて・・・。人生ってなんなんだろう。「ダンス・パーティーの惨劇」や「最後の美女」も物悲しい。2016/05/03

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