内容説明
激動の明治期、人々はどのような仕事をしていたのか。仏人画家ビゴーは、洋服屋、牛肉屋、鹿鳴館職員といった西洋化により登場した職業など、働く人々の姿を諷刺も交え克明に記録した。国会議員らエリート層の豪奢で珍奇な暮らしぶりとは対照的に、人口の9割を占める下流階級の人々が懸命に働く姿は、明治の格差社会を痛切に感じさせる。100点超の作品を紹介し、背景を解説する。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
10
★★★☆☆ これ一冊で明治のお仕事事情丸わかりな一冊。何気なく見ると、その仕事に従事している人たちがただ描かれているだけの何の変哲もない絵なのだが、その一枚の絵にその仕事の本質が凝縮されているから、やっぱりビゴーの絵はすごいな、と思う。当たり前のことだが、最近でもまだ存在している職業から、こんな仕事あったんだというものまで。男女で職業的な差別があった当時だからこそ見られるような職業的な風潮まで散見することができ、とにかく興味は尽きない。明治時代に興味があるという人なら是非一度手に取ってみて損はないだろう。2013/08/13
スプリント
8
風刺漫画として現代でも通じる面白さと絵の構図に驚きます。写真より当時の空気感を表現していると思います。2018/07/29
蕭白
4
こういう絵画史料は嬉しいです。2013/01/20
勝浩1958
2
一枚一枚の絵、それぞれに面白みを感じる。相変わらず、日本人は一重瞼に出っ歯だけれど。2012/05/09
Uchibori_a
2
なんか解説が典型的欧州コンプレックス丸出しな点が残念。ビゴーの責任じゃないけど2010/11/06