角川ソフィア文庫<br> 殴り合う貴族たち

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角川ソフィア文庫
殴り合う貴族たち

  • 著者名:繁田信一
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  • 特価 ¥258(本体¥235)
  • KADOKAWA(2014/02発売)
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  • ISBN:9784044092016

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内容説明

宮中での取っ組み合いの喧嘩、従者の殴殺、果ては邸宅建設のために平安京を破壊――。優雅な王朝時代のはずが、貴族たちはやりたい放題。当時の日記をもとに、貴族たちの意外な素顔を探り出した意欲作。

目次

素行の悪い光源氏たち
中関白藤原道隆の孫、宮中で蔵人と取っ組み合う
粟田関白藤原道兼の子息、従者を殴り殺す
御堂関白藤原道長の子息、しばしば強姦に手を貸す
右大将藤原道綱、賀茂祭の見物に出て石を投げられる
内大臣藤原伊周、花山法皇の従者を殺して生首を持ち去る
法興院摂政藤原兼家の嫡流、平安京を破壊する
花山法皇、門前の通過を許さず
花山法皇の皇女、路上に屍骸を晒す
小一条院敦明親王、受領たちを袋叩きにする
式部卿宮敦明親王、拉致した受領に暴行を加える
三条天皇、宮中にて女房に殴られる
内裏女房、上東門院藤原彰子の従者と殴り合う
後冷泉天皇の乳母、前夫の後妻の家宅を襲撃する
光源氏はどこへ?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

84
これは面白い!平安京は暴力の坩堝である。巻末の『王朝暴力事件史年表』(全7ページ)だけでも面白い。司馬遼太郎や大河ドラマの影響下にいる私は、武士の時代以外の日本史の面白さをすっかり忘れていた。貴族どころか皇族、女官も暴力事件を起こす。喧嘩レベルだけではなく殺人や強姦など相当に悪質なものも多い。藤原道長の一族や花山法皇など、呆れ果てる。敦明親王も酷いが、この親王の場合は道長の専横への反逆的な側面があり嫌いじゃない。皮肉なのは紫式部の仲良しの女官のその後(これは一読してほしい)。歴史の面白さを満喫。2014/10/14

HANA

69
平安貴族というと月卿雲客。月や花を見て歌を詠んだり、歌で恋を語ったりという穏やかなイメージばかり先行するが、しっかりと暴力行為にも手を染めていたのですね。本書は「小右記」や「御堂関白記」を手掛かりに、そんな暴行の一部に迫った一冊。天皇の御前で掴み合いするわ、控室でリンチするわ、門前を通った者に石ぶつけるわ、と中々にやりたい放題な実態が語られております。面白いのは一部を除いて従者が主体となってそれを行っている事。主人の意を受けて以外にも、権威を守るために先走るのは面白い。知られざる貴族の実態、興味深いです。2022/04/27

がらくたどん

60
角川ソフィアの端正な「小右記」入門に合わせて。同じ藤原実資の「小右記」を中心に平安貴族の暴力沙汰記事を丹念に抽出した裏話的歴史本。女流作家による雅やかな宮廷物語では描かれにくかったリアル「貴公子」連の暴行・破壊の数々を実資の溜息とともに拾い読みできる。宮中で取っ組み合う・従者を殴り殺す・強姦に手を貸す。目次だけ見ても眩暈がする案件の「誰が」の部分はいずれも超有名貴公子。お前も、お前も、お前もか~(# ゚Д゚)とあきれつつ、中世の希薄な人権意識とその中で「優しさ」を希求した女流作家の祈りがほの見える快作♪2024/01/18

tulip

37
今年の大河ドラマを観るにあたり藤原氏のことを面白く知るのに良さそうと思い読んでみた。藤原実資の「小右記」、道長の「御堂関白記」等から紹介されるエピソードの数々。系図が適宜示されるのでわかりやすい。それにしても、優雅なイメージを持っていた平安貴族は横暴で凶悪。手を汚すのはほぼ従者だが。大臣の居宅の前を牛車に乗ったまま通ると集団投石に会うわ、気に食わない事があると他家の従者をリンチするわ、道長は自邸の造園や寺の建立の為に都市を破壊し礎石を奪ってくるわ、いやはや驚きの連続だった。2024/02/25

しゅてふぁん

33
小野宮右大臣藤原実資の日記『小右記』から、素行の悪い貴族たちの諍いを紹介。うわ~、貴公子の皆様、こんなに血気盛んだったのね。実際に乱闘しているのは貴公子達の指示を受けた従者だけど。道長やその息子達の素行の悪いこと悪いこと…。最上級貴族の門前は牛車に乗って通ってはならないというのが礼儀で、名立たる難所があったとか。文学作品には描かれていない平安時代の一面を垣間見ることが出来て面白かった。2018/01/06

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