講談社選書メチエ<br> 複数の日本語 方言からはじめる言語学

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講談社選書メチエ
複数の日本語 方言からはじめる言語学

  • ISBN:9784062584272

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内容説明

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津軽弁もウチナーグチも……方言は標準語よりも「世界標準」だった!?
「落ち葉が散りよる」と「散っとる」の違い? 「おかあさん干してある」ってどういうこと?
日本語はこんなに面白い!

世界の中の日本語を考えるとき、その「日本語」とは、いったいどこの言葉なのでしょうか?
北は青森県から南は沖縄県、さらにブラジルの日系人社会まで、各地で使われている方言の豊かな表現をとりあげ、さらに世界の言語との比較をすることで、日本語の多様性を発見する旅へと誘います。
その道のりでは、均一で単一な「標準語」だけが日本語なのでは決してないことが発見され、さらには、各地の方言が世界の言語と共通する普遍的なあり方をしていることさえも明らかになるでしょう。
世界の言語学の現場で研究が進展している言語類型論の手法を用いて、世界各国の言語と方言・標準語を自在に横断する、刺激的な日本語論です。


【本書の内容】
1.「あっこに花子ちゃんがいてる」―存在をいかに言い表すか
2.「桜の花が散りよる/散っとる」―標準語は世界標準じゃない!
3.「落ちよった!」―目撃者の文法・エヴィデンシャリティー
4.「生ちゅとーてーさやー」―テンスが伝えるのは時間だけじゃない
5.「花子、美人でら」―美しいのは今日だけ?現象と本質の違い
6.「おかあさん、干してある」―「シテアル」にひそむ地域差
7.「花子、元気ない」は「花子は元気だ」?―ふらふらする形容詞と形容動詞
8.「全部食べれれんかった」―可能をいかに言い表すか
9.「ねえ花子、明日学校来る↓」―質問が尻上がりイントネーションとは限らない
10.「みんなでシュラスカリア、アジューダしよる」―言語接触と日本語

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目次

1 「あっこに花子ちゃんがいてる」―存在をいかに言い表すか
2 「桜の花が散りよる/散っとる」―標準語は世界標準じゃない!
3 「落ちよった!」―目撃者の文法・エヴィデンシャリティー
4 「生ちゅとーてーさやー」―テンスが伝えるのは時間だけじゃない
5 「花子、美人でら」―美しいのは今日だけ?現象と本質の違い
6 「おかあさん、干してある」―「シテアル」にひそむ地域差
7 「花子、元気ない」は「花子は元気だ」―ふらふらする形容詞と形容動詞
8 「全部食べれれんかった」―可能をいかに言い表すか
9 「ねえ花子、明日学校来る」―質問が尻上がりイントネーションとは限らない
10 「みんなでシュラスカリア、アジューダしよる」―言語接触と日本語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

13
具体的な日本の方言(著者の一人が宇和島出身であることから宇和島方言がやや多めだが、東北から沖縄まで様々なもの)を取り上げ、標準語には見られないテンスやアスペクトのあり方を指摘する。トルコ語との比較もありイメージしやすかった。また、ブラジル移民の話すポルトガル語混じりの日本語や、日本語との接触により変容する琉球語などを取り上げて、言語の流動性を指摘し、「美しい日本語、正しい文法」に挑もうとする姿勢が非常に挑戦的で面白い。2020/02/19

センケイ (線形)

10
単に方言の面白さを炙り出すにとどまらず(もちろん実際に面白く親しみやすいが)、むしろ方言から日本語の本質に迫ろうという白熱した本だ。考えてみれば東京方言が日本語の核だと考えるのも確かに先入観によるものかもしれない。むしろ、日本語の中でもさまざまなバージョンがあり、それらを総じてみることで、あるいは典型的な特徴を集めてくることで、ようやく日本語の本質、あるいは他言語との比較が十全になるであろうか。東京方言以外の中に、より海外の言語と共通する特徴がうまっていることも多く、改めて日本語について考えさせられた。2019/08/20

Nobu A

8
2008年初版。数年前に購入し、ずっと書架で埃を被っていた本著。日本語と言ってもアイヌ語から琉球語まで全国津々浦々色んな方言が存在する。以前は標準語の方が優位性があったが(いや、今でもそうかな)、多様性が尊重される現代、方言が脚光を浴びることも。言語類型論を用いて世界数カ国の言語と日本語標準語及び方言を比較検証。こうなると日本語の起源はどこなのかと考えてしまう。また、言語は生き物。時代を経て微妙に変化することを考慮すると、某外国語に類似するのは偶然の可能性もあるだろうな。後半流し読み読了。2022/06/30

栗きんとん

5
大学過去問の出典から。 方言の方が、標準語よりも言語学の点で高い機能を持った言語という内容で具体例を挙げて興味深かった。 おもしろいのは、先日読んだ言語学の筆者が飛騨出身で、この本の筆者の一人が宇和島出身で、地理的には距離があるのに、ほぼ同じ表現があるということ。 方言話者の方が、標準語しか話さない人より外国語習得には有利な一面があると思った。2019/02/27

ひろ

5
ずっと方言を研究してきたのであまり考えたこともなかったのですが、本書にある通り一般の方としては方言はまだまだ標準語と比べてシステマティックではないと思われているのかもしれません。本書には10のテーマで方言を様々な角度から記述されています。世界標準で見ると日本語の標準語は必ずしもスタンダードではなく、かえって方言の方が世界標準に近い場合もあるということが知れて勉強になりました。専門の方でなくても読みやすい一冊だと思います。2018/12/06

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