寝ぼけ署長

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寝ぼけ署長

  • 著者名:山本周五郎【著】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • 新潮社(2012/12発売)
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  • ISBN:9784101134352

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内容説明

五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。ところが、いよいよ他県へ転任が決ると、別れを悲しんで留任を求める声が市民たちからわき起った……。罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法でつぎつぎと解決する。山本周五郎唯一の探偵小説である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

120
 あの山本周五郎が、こんなユーモアに富んだエンタメ小説を書くのか、と驚いた。しかも、これが探偵小説で、戦前の「新青年」に正体をふせて覆面作家として書いた連作短篇というのもユニークだ。主人公・警察署長のキャラが奇をてらって面白い。一見ぐうたら親父で、「居眠り署長」の別名も…。ところが、市民からは人気者なのだ。任期が終わって異動が決まると、市民はムシロ旗を担いで「署長留任!」を叫ぶ。街の権力者の圧力にも屈しない正義感が魅力です。予期せぬ山本周五郎との邂逅でした。周五郎ファンには一読の価値ある一冊です。2018/03/19

nemuro

67
初めての山本周五郎。富良野に住んでからの2018年10月、週末に訪れた函館、「くまざわ書店函館店」にて。創業150年の「棒二森屋」5階にあった書店。翌年1月末の棒二森屋の閉館とともに閉店。思えば、これが最後の購入。さて、本書。手書き(を印刷)の帯には「上司にしたい男№1デス‼痛快度MAX‼唯一の探偵小説発見‼」。「中央銀行三十万円紛失事件」から「毛骨屋親分」などを経て「最後の挨拶」までの10編。昭和21年12月、雑誌『新青年』に作家名を伏せて連載開始の読切短編集。本棚には『季節のない街』が待機中で愉しみ。2025/12/28

たつや

67
何となく西田敏行をイメージして読了。こういうのも書いてたんだと感心する。死んだときにその人がどれだけ愛されていたか?何を残したかが良く分かる。身につまされます。2017/06/07

タイ子

65
読友さんのレビューから知った本。これまで読んだ山本周五郎さんの本は殆ど、いや全部時代小説だったので探偵小説!?と思ったのですが、なるほど戦前・戦後は探偵冒険小説を書いてらしたんですね。いつも寝てばかりいる署長が事件が起こるとすわっ!すんごい頭の回転の良さで謎解きをしてみせる。古き良き昭和の時代、罪を憎んで人を憎まず。署長の言葉1つ1つが心に響くのがいいですね。やはり周五郎さんらしい作品。願わくば警視総監まで駆け上がって欲しい寝ぼけ署長であります。ご紹介ありがとうございました。2018/04/03

Kanae Nakajima

53
探偵小説と銘打ってますが、山本周五郎らしいヒューマニズム小説でした。気付けば居眠り、いつもぼんやり仕事をしていないように見える署長は、しかしいつの間にか皆彼のことが大好きになっている。『…貧乏だということで、かれらが社会に負債を負う理由はないんだ。寧ろ社会のほうでかれらに負債を負うべきだ、…』徹底した弱者への優しい視線が随所に感じられます。昭和21年からの連載ということで、時代背景や言葉遣いも味わい深いです。2017/10/28

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