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内容説明
日本には現在、二百校以上の外国人学校がある。多国籍の子どもを対象とするインターナショナル・スクール、駐在者の子弟が多いフランス人学校やドイツ人学校、アジア系の朝鮮学校や中華学校、最近増えているブラジル人学校…。由来もカリキュラムも様々だが、どの学校も、身近な異文化の象徴として国際交流の舞台となっている。あまり知られることのない外国人学校の歴史やシステム、授業風景を紹介し、その意義を考える。
目次
序章 注目を浴びる理由
第1章 子どもたちの学校生活-日本の学校とどんな違いがあるのか
第2章 学校のシステム-システムで異なる点はなにか
第3章 日本にあるアジア系の外国人学校-どんな教育ニーズに応えているのか
第4章 日本にある欧米・南米系の外国人学校-多様な諸文化の価値を認める学校
第5章 サンモール校から136年の歴史-その始まりと歩みの軌跡
第6章 外国人学校の法的位置づけ-なぜ学校理解のキーワードになるのか
終章 可能性と展望-多文化共生のシンボルとなる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
5
購読本読了。2008年初版。多文化共生を標榜しながらも、外国人労働者の受け入れ体制に課題が山積みの日本。国内の外国人学校の嚆矢は19世紀後半まで遡り、現在、アジア系から欧米・南米系まで様々な学校が二百超。自国政府や日本に拠点に置く企業からの財政援助を受け、優秀な人材を輩出し、成功している学校もあれば、日本の教育機関のように公的補助を受けられず、様々な問題を抱えている学校もある実態。豊富な資料を揃え、とても勉強になった。教育の機会均等は日本で学ぶ誰にでもあるべき。その実現無しに日本の将来はないように思う。2019/01/15
wang
1
朝鮮人学校、インターナショナルスクールの他にブラジルやドイツ人向け等国別にも外国人学校が存在している。実地調査を含めて、各校の歴史や授業内容、生徒など。多くの学校は卒業後に本国の戻って上級学校に行くなどであるが、日本永住を目指す卒業生には大学受験資格など不都合な点が多い。近年受験資格拡大やインターハイなどの同世代交流も進んでいるという。ただ一番の問題は一条校でないこと。この一条校になれないのがどの点なのかなぜ難しいかが語られない。学校設立資金や運営資金、授業料などお金に関する記述も欲しい。2023/10/11
melissa
1
『コンビニ外国人』からの話題続きで。「外国人学校」ってインターナショナルスクールしか思い浮かばなかった私にとってかなり、驚きの内容でした。自分の視野の狭さ実感。日本と外国との行き来があれば、働く親とその子どもたちが日本に住み、その子ども教育が必要になってくるのは当然のことなんですよね。2008年の時点での調査報告。巻末に外国人学校のリストがあり。私の家の近くにある日系ブラジル人学校は既に別の建物になってます。時代の流れを感じました。2018/12/12
神紙
1
久しぶりにおおーぉおもしれえと思いながら読みました。外国人(といってしまうのもあれですが)の方というのはおそらく、日本人である私がおもっている以上にこの国で生活しています。すでに高度成長期に受け入れてしまっている以上、これから先この国で違う国をルーツとする人が増えることはあってもいなくなることはあり得ません。現在の、そしてこの先の多文化が共生する社会に向かい教育から考えるうえで重要な知識だと感じました。2015/10/13
pch
1
外国人学校は多文化共生社会を築く上で欠かせないもの。もっと理解し、理解し合わなければならない。2013/03/29