内容説明
数学の本の書き手として著名な、イアン・スチュアートが書いた代数と量子物理の対称性を中心とした、著者久々のポピュラーサイエンス読み物です。前半は、ガロア群論を中心とした代数方程式の解の話、後半は量子物理における対称性の破れに関する話の構成をとっています。本書では数学と物理の理論に触れながら対称性とは何かに迫っています。登場するのは、ユークリッド、アルキメデス、フィボナッチ、ガウス、ラグランジュ、アーベル、ガロア、ハミルトン、リー、キリング、アインシュタイン、ファラデー、マクスウェル、プランク、シュレーディンガー、ハイゼンベルグ、ディラック、ウィグナー、カルツァ、ウィッテン、などです。
目次
バビロンの書記
王族の名
ペルシャの詩人
ギャンブルをする学者
ずる賢いキツネ
失意の医師と病弱な天才
不運の革命家
平凡な技術者と超人的な教授
酔っぱらいの破壊者
軍人志望と病弱な本の虫
特許局の事務員
量子五人組
5次元男
政治記者
数学者たちの混乱
真と美を追い求める者たち
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
53
優れた疑問に対する否定的な答えまでもが、どのようにして深遠で基本的な数学へと繋がっていくかを教えてくれる。それが数学における対称性の物語である。2022/03/29
shinano
9
訳者あとがきまで読み終えてからやっと読んで良かった本だと思えた。わからないことばかりで、一体著者はどの様な読者を対象にしているのか、本書は一般書なのか、と疑問だった。数学専門用語がぽんぽんと出てきその説明はほとんどなされないことに、少しでも理解をしながら読んでいきたいと思うわたしには非情でストレス読書でもあった。これは、数学を学ぶ大学生向けの数学歴史と群論への、そして対称性群の復習書と感じた。多々な数学理論はわからないままだが、群論と対称性はこれからの自然科学の発展と理解に重要だとわたしにも断言できる。2011/12/18
Yuji Hamano
8
おおくの数学者のエピソードと、どのような貢献をされてきたのかがまとまっている。 しかし数学というのは世代を次々にわたって今に至る、なんかものすごいものだなと感じ入った。2016/06/13
きんちゃん
4
対称性。なかなか理解しづらい概念である。しかし、この対称性という構造がこの物理的世界を理解するカギになるかもしれないという。この世界の背後、あるいは究極の法則がこの対称性というものに支配されているらしい。物理や数学の最先端はますます深遠で神秘的だ。目が離せない。2014/03/05
Yoshi
1
イアン・スチュアートは何冊か読んでいる。 この本は、代数学の歴史を紐解いている。 数学者の人生が詰まっていて、大変面白い2022/11/01