内容説明
幻の名作「あわせ鏡に飛び込んで」をはじめ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女が出てくる「あなたをはなさない」、全編、悩み相談の手紙だけで構成されたクライムミステリー「書かれなかった手紙」など、選りすぐりの10編を収録した文庫オリジナル作品。精緻に仕掛けられた“おとしあな”の恐怖と快感!(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
239
井上夢人さんの短編は、いつも僕に小説の愉悦を思い出させてくれる。快感に酔わせ恐怖に陥れる20~50頁の絶品10篇。初出は90~95年。全作品に出版社の企画意図や、依頼を受けた際の心境を前振りとして置く。ここから汲み取れるのは、著者は良い意味で真に超一流の職業作家であるという事。どんなに無茶な依頼内容であろうと、確実に読者を愉しませる手腕がある。アイテムの陳腐化にもめげず最先端技術にも果敢に挑み、斬新なアイディアを活かした鮮やかな変転と心理描写の妙は匠の技。トータルでの一貫性はないので、隙間時間利用もOK.2021/03/08
しんたろー
191
90年代前半に様々な雑誌やアンソロジー用に執筆された短編が10作収録されたミステリというよりもホラー色の強い作品集。読友さんが「『世にも奇妙な物語』様な世界観です」と仰っていましたが、正にそんな感じ!20年以上前の発表なので古いネタもあるが、その発想や捻りは流石なものが多く、初期の『奇妙~』に関わった者としては「原作にしたかった」と思える秀作もある。『私は死なない』の残酷さや『あなたをはなさない』の執念深さはゾッとしたし、ペーパーバック・ミステリを意識した『サンセット通りの天使』にはニヤリとした( ̄▽ ̄)2020/08/28
🐾Yoko Omoto🐾
160
井上夢人作品初読み。「世にも奇妙な~」的なアプローチの作品はたくさんあるが非常にレベルの高い短編集。一体何が起こっているのかと読み手の想像力を刺激する物語のイントロデュースが巧い。読後にゾッとするホラーテイストの作品が多いが、中でも「あなたをはなさない」「千載一遇」「私は死なない」はとても好みで、そのあとの事を思うとゾッと処ではないほどの恐ろしさがある。ミステリとして秀逸なのは「書かれなかった手紙」で、手紙のやり取りのみの構成に隠された真相が面白い。各話に著者コメントがあり作品の背景を感じながら楽しめる。2014/06/23
takaC
149
面白かったよ、夢さん。巻末の大沢くんとの対談の中で『小説現代』に連載中と言っていたのはアレだね。家の居間の本棚(夢人文庫コーナー)に置いてあるけどまだ読んでいないんだ。ゴメンね。2015/06/27
masaru
105
面白かったです。2016/08/08
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