内容説明
場の空気を読んで、それに自分を合わせる。さらにウェブ検索で、マジョリティの空気を読む……。この10年、情報社会の進展で確かに便利にはなったが、「自分で考える力」が、急速に失われている。「思考」が「検索」に、「言葉」が「情報」に劣化していく今、私たちは「考える力」を再生できるのか。『暴走老人!』の著者がたどり着いた現代社会の問題の本質。一個人として世の中を生き抜く思索力とは何かを考察する。
目次
1章 検索バカは、何を失くしたか
2章 クウキに支配される日常
3章 「やさしさ」と「暴走」の時代
4章 不安定な「場」としての家庭、教室
5章 「予定調和」はいつ誕生したか
6章 同調圧力が独自の「思考」と「行動」を奪う
7章 世間から露骨へ
8章 失われゆく「対話」と「議論」
9章 身体性なき言葉は、貧弱になる
10章 沈黙の力
終章 生きることは考えること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
13
情報とやらに振り回されて、空気を読むという空疎な事ばかりしているとろくなこと無いよという本です。私はそもそもスマホの検索機能はまず使わない人間なので、本を買うのも結局身も蓋もない言い方をすれば「作り物が好きだ」と言う事に尽きまして、お金儲けや3日でこれこれが分かると言った本は跨いできた者ですから著者の主張はごもっともでとりたてて凄いとも思いませんでした。日本ほど同調圧力の強い国はなく、新しい事や人と違う事をやるのに、アメリカならそうなの?やってご覧なさい!となるのに、この国では何で邪魔するの?と思う。2016/03/27
こだま
11
すぐにネットで検索してしまい自分の頭で考えない人々へ警鐘を鳴らしています。だんだん「空気を読む」ことを強要する世の中への批判になってきて題名から話がそれてしまったように感じました。2019/03/26
kubottar
11
タイトルと序盤はネット関連の話だったので読みましたが、ネット関連は序盤だけで進む内にどんどん日本人論になっていって・・結局、期待通りの内容ではなかった。2013/08/24
ちくわん
8
タイトルと異なったが、最後は、心から涙した。自分の存在価値が、確りした。この本を手にいれた自分を称える。力して自分を表現していこう。私にとって、今日を生きる「バイブル」だ。必読。考えて、考え尽くして、書いていこう。2018/11/29
Koki Miyachi
8
タイトルが内容を表していない本が最近増えているが、これは最たるもの。ネット検索で済ます、コピペでパクるなど現代の我々が陥りがちな過ちの話から始まって、いつしか話題は「クウキを読め」という今時の風潮の批判に。分からないではないが、「検索バカ」の話はどうなっちゃったの?鼻につく説教臭さと、筆者の批判的態度に最後まで共感できぬまま終了。うぅぅ。。。時間返してくれ。。。2015/10/13