内容説明
場の空気を読んで、それに自分を合わせる。さらにウェブ検索で、マジョリティの空気を読む……。この10年、情報社会の進展で確かに便利にはなったが、「自分で考える力」が、急速に失われている。「思考」が「検索」に、「言葉」が「情報」に劣化していく今、私たちは「考える力」を再生できるのか。『暴走老人!』の著者がたどり着いた現代社会の問題の本質。一個人として世の中を生き抜く思索力とは何かを考察する。
目次
1章 検索バカは、何を失くしたか
2章 クウキに支配される日常
3章 「やさしさ」と「暴走」の時代
4章 不安定な「場」としての家庭、教室
5章 「予定調和」はいつ誕生したか
6章 同調圧力が独自の「思考」と「行動」を奪う
7章 世間から露骨へ
8章 失われゆく「対話」と「議論」
9章 身体性なき言葉は、貧弱になる
10章 沈黙の力
終章 生きることは考えること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
68
他館図書館本。 検索バカ…というより空気読み過ぎバカを起点に検索バカという症状があらわれているような文章。別の本で書いてあったト〇ンプ大統領は陰謀論の原因ではなく結果だというニュアンスに近いですね。それにしてもクウキがないゲリラフォークは楽しそうです。 スマホ断食でやたら作者さんがネットを攻撃していたのですが、怒りの暴走メール視聴者さん事件が原因でそういう思想に至ったのですね。 クウキと薄ぼんやりとした表現をしていますが、中心には有名芸人よろしく仕切り屋がいるそうな。怖い怖い。2025/03/08
ほじゅどー
15
★★何でも検索すれば独自の成果のように見せかけることができてしまう情報社会。しかし情報は情報。思考とは別物。本当に大切なのは検索よりも思索。また、最近の若者は「空気を読め」という言葉に歯向かえない。皆、自分で考える前に検索で他人の成果を拝借したりする。自分の頭で考えず、結論だけを求める現代人。みんな一緒にが行動規範となっている。これでは自分のアタマで考えることは出来ないだろう。。。2013/09/28
阿部義彦
14
情報とやらに振り回されて、空気を読むという空疎な事ばかりしているとろくなこと無いよという本です。私はそもそもスマホの検索機能はまず使わない人間なので、本を買うのも結局身も蓋もない言い方をすれば「作り物が好きだ」と言う事に尽きまして、お金儲けや3日でこれこれが分かると言った本は跨いできた者ですから著者の主張はごもっともでとりたてて凄いとも思いませんでした。日本ほど同調圧力の強い国はなく、新しい事や人と違う事をやるのに、アメリカならそうなの?やってご覧なさい!となるのに、この国では何で邪魔するの?と思う。2016/03/27
kubottar
12
タイトルと序盤はネット関連の話だったので読みましたが、ネット関連は序盤だけで進む内にどんどん日本人論になっていって・・結局、期待通りの内容ではなかった。2013/08/24
ちくわん
10
タイトルと異なったが、最後は、心から涙した。自分の存在価値が、確りした。この本を手にいれた自分を称える。力して自分を表現していこう。私にとって、今日を生きる「バイブル」だ。必読。考えて、考え尽くして、書いていこう。2018/11/29