内容説明
世界はしるしに満ちていて、もろく、美しい――。『春の庭』で第151回(2014年上期)芥川賞を受賞した柴崎友香の傑作!
30歳を目前にした会社員・果絵と、その恋人、友人、同僚、居候らが大阪の街を舞台に織りなすゆったりとしたドラマ。祖父の死、占い、ヒーリング、UFO、宇宙人……。日常の中にごくあたりまえにあるいくつもの見えない「しるし」が、最後に果絵にひとつの啓示をもたらす。繊細で緻密な描写力によって、世界全体を小説に包みこむ方法を模索してきた、純文学の世界で最も注目される作家の集大成的作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なゆ
64
特に何が起こるわけでもなく、ただただ29歳OLの果絵の日常と心境を細やかにつぶさに綴られている。淡々としてるのに、心地いいのはなんなんだろう。あの年頃のあの言葉にならないような漠然とした不安?そのモヤモヤさもよく表れてたような。祖父に対する不思議な感情には共感。〝おるときはおらへんかったのに、おらんようになったらおるっていうか〟あと、あちこち眺めるいちいちどうでもいいような描写が、好き。意外と、そういう光景のほうが記憶に残ってるよな、とか思ったり。タイミングが妙で人懐っこいカツオ、面白いヤツやったな。2017/01/06
ぶんこ
23
う〜ん、何を言いたいのか? 書きたかったのか? 29歳一般事務女性の日常? 共感出来るところがまったくなかったです。 何だか高校生、大学生の、仲間どうしでダラ〜ンとつるんだ、目的を持たない青春という感じで、とても29歳とは思えませんでした。 私が手厳しすぎるのか? まず、身の廻りの整理整頓から始めたらと言いたくなりました。 私には合わない作家さんだという事は分かりました。2014/05/30
しょこら★
17
よくある、アラサーの、先の見えない、漠然とした不安の話。ゆらゆら、したいことも、しなきゃいけないことも分からなくて。でも、たどり着く先はなんとなく見えてる。淡々と、なんか息苦しい感じ。2013/08/04
chi.
15
三十歳を前にした女性は悩み盛り。恋愛、仕事、結婚、子育て、嫁姑、老後…etc。あまり会うことのなかった祖父が亡くなったり、職場の人に勧められたヒーリングに行ったり、占いに行ってみたりと三十歳を前にした果絵の日常の一部分が描かれる。「もしかして、神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれない、と思った。どこかで、自分を見ていてくれたらいいのにって思うような、そういうの。」2019/07/31
GORIRA800
13
柴崎作品ならではの何も起こらない小説 でもそれが楽しい 占いと三十らへんの女性の関係は深いものがあるんです2022/01/11
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