内容説明
悪行を尽くしてきた男が、老いさらばえ傷つき、葬送地の草叢(くさむら)にうち棄てられていた。死を目前にした者と、死体から着物を剥(は)いで売るためにやってきた男が出会ったとき――。(表題作)。とある表具師(ひょうぐし)が語る、古びた一双の屏風絵をめぐる恐ろしくも切ない怪異譚(「墨円」)。磨き抜かれた文章が紡ぎ出す美しき夢幻の数々。書下ろし作品を含む12編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
時たま加門さんの本を読んでいるのですが、この本はもう絶版になっていてアマゾンの古本で購入しようと思ったのですが3000円もしてあきらめて図書館で借りてきました。再刊してくれないのでしょうか?結構面白く短篇集ですが様々な怪異や怖そうな話が満載です。加門さんはかなり昔の文献を渉猟している感じがします。2021/03/30
眠る山猫屋
45
いい感じの表紙だ。短編集だが、やや時代物に重きを置いているようだ。異形コレクションに収録されている作品もあるが、個人的には『左右衛門の夜』『菊屋橋』『阿房宮』辺りが好き。電気が通る前の、真っ暗な闇夜に穽が待ち受けているような、そんな厭な感じがヒシヒシ伝わってくる。2018/10/14
ポチ
40
短編集。人の性により、この世に現れたこの世以外の話。物悲しさが心に残りました。2016/09/04
マリリン
26
昔の日本を思わせる独特な香りが漂う。短編12作品のうち、橋占いにとり憑かれたような16~7才の女性たちの事が書かれている『菊屋橋』が、一番印象に残った。他には『墨円』『赤い木馬』か。最後の2作品は他の作品と少し趣きが変わっているように思えた。蜂で育てた木と自然の中で育った木を語る『鉢の木』、『抱擁する山』、文中の...旅に出る人は、充ちたらぬ思いがある故、あちこち彷徨い歩く...陰気が日常の澱として、心にたまっている...、という言葉。 全ての作品に漂っている感がある陰鬱な空気は、ホラー小説故か。2019/04/26
ぽろん
21
幻想的で不思議な空間に誘われました。盆に読むには、相応しい一冊。2016/08/15
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