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内容説明
コンプライアンス(法令遵守)が声高に叫ばれても、組織不祥事はなぜ絶えないのか。それは、組織には個人の倫理観や使命感を超えた力学が働いているからだ。そのメカニズムを知り、危機回避に努めるのがナンバー2の役割である。著者は政府の調査委員として数々の事故、不祥事の原因究明に従事した社会心理学者。職場にはびこる「権威主義」や「属人思考」の問題点を指摘する。権威主義とは、教条やカリスマ的人物を物事の善悪判断にする考え方。属人思考とは、物事を是々非々で論じるのではなく、「誰が」言ったか、やったかという<人>情報を過大に重視する考え方である。具体例をあげれば、次のような職場は危険だという。「“鶴の一声”がよく起こる」「身近な偉業者を褒め称える」「滅私奉公が評価される」「曖昧さの受容ができない」等々。そして、そのような組織風土を刷新する処方箋を提案する。あなたの会社は大丈夫か。誰もがナンバー2になりえるからこそ必読!
目次
第1章 なぜ企業不祥事は跡を絶たないのか
第2章 権威主義は暴走する
第3章 職場にはびこる権威主義
第4章 組織風土の問題点はどこか
第5章 「属人風土」が不祥事を起こす
第6章 自分を見つめ、上司を見抜く
第7章 自分の組織の点検法
第8章 ナンバー2の自己訓練
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいすけ
4
インディペンデントシンカーなる言葉を初めて知った。自分の頭で考えるためにも、読書は必要とのこと。2017/01/31
Humbaba
4
考慮するべきは,誰が言ったのかということではなく,何を言ったのかという,その内容自体である.しかし,組織は多くの場合誰が言ったのかというところを重視する様になる.ナンバー2は,そのような場合でも内容を吟味し,おと柄によって評価できるようになる必要がある.2012/03/17
Humbaba
4
上の立場に立つ人間は、心許せる存在にそれを打ち明けてはいけない。あくまでもその一線を守り通すことで、相手も本気で働くようになる。それは非常に厳しいことだが、やらなければいけないことである。2010/03/20
Humbaba
3
コンピュータと異なり,人間は二元論で語れるものではない.そして,それは人間の創った社会についても同じことが言える.正解か不正解かという二元論で答えを求めようとするのではなくて,新しい道を探すことを求めていく必要があるだろう.2011/03/22
ねぎとろ
2
タイトルは安っぽいが中身は充実している。マネジメントのうまい人が周りをどのように「読んでいるのか」を解説したあたりは参考になった。2012/04/10