内容説明
スパイとして国後島に潜入し、ソ連の警備隊に拘束された男。日本に帰還した男を待っていた真実とは――「暗い海 深い霧」。海岸で女の死体が発見された。痴情のもつれが原因と思われた事件に、なぜか公安調査官の影が――「微かなる弔鐘」。ある作戦に召集された米諜報機関の日本人工作員たち。諜略の果てに彼らが見たものは――「海坊主作戦」。東西冷戦の時代、謀略の最前線となった国境の海で繰り広げられる諜報戦に運命を翻弄される者たちを、非情かつ詩情豊かに描く作品群と、荒涼たる原野から地の底の炭鉱まで、北の大地に生きる男たち女たちの事件簿。昭和30年代前半に発表された高城作品の精華13編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
38
高城高作品の全集もこれがラスト。「ある長篇への伏線」は男の言動にドン引き。個人的には「冷たい部屋」が一番、印象的でした。自分のことばかりに現を抜かす大人や「自分は哀れな境遇にいる」ということを思い知らせるように無神経な一言で自尊心を傷つける大人に対し、子供は侮蔑の視線を持って逆襲しなければいけない時はある。齢を喰っているといっても取るに足りない大人に「無邪気」に隠した狡猾さと侮蔑を隠し、寝首を掻く機会を伺う演技力を使うことを本能的に知っている子供が叶わないということはない。2014/06/19
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
24
読メを始める前に全集の〈2〉を読んでいます。 久しぶりに読んだこちらも、暗く非情な世界が満載。 昭和33~35年に発表されたハードボイルドな短編作品の数々に酔わされ、ちょっと二日酔いのように気分か滅入る…(笑)。 東西冷戦、仮想敵国ソ連の時代の北海道が、諜報戦の最前線だったという事がリアルに感じられますね。 しかし、ソ連も脅威ですが、駐留米軍情報部の遣り口もけしからんですよ~! アイヌ民族問題や、貧困に起因する犯罪などもあり興味深く読めました☆2014/09/03
HANA
5
北海道を舞台としたミステリ集。北海道というと函館などの青空とかのイメージしかなかったため、道東はこれほど暗いのかと驚かされた。硬質な文体と相まって、その暗さが余計に引き立てられている。2010/04/01
Look
3
面白い。大好き。ミステリとしてのネタがどれだけあっさりしていようが、この語り口で北海道(ほとんど道東)の乾いた寒々しい空気を描写してくれれば、それだけで十分。なので、それを感じない作品は物足りないな……。表題作の「暗い海深い霧」も良かったけれど、「雪原を突っ走れ」が一番印象に残ったかな。あの物寂しさは、そうそう出せるもんじゃない。ハードボイルド最高。2013/09/13
まゆき
3
私たちが知らない対露の緊張感。これは小説だけれどこの作品が書かれた時代の空気はひんやりと伝わってくる気がする。昭和三十年頃というのはそれほど昔のことなんだろうか?読後感に得体の知れない焦りが残る。2012/01/08
-
- 電子書籍
- 物語の黒幕に転生して【分冊版】 49 …
-
- 電子書籍
- 高加減速車と多扉車の復興計画
-
- 電子書籍
- ダブルクロス・リプレイ・オリジン 未来…
-
- 電子書籍
- 蝶の谷殺人事件 顔のない刑事・脱出行 …
-
- 電子書籍
- Chrome Closed Chron…




