内容説明
吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官――。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
23
戦時下の各種統制。3権分立の最後の砦。正に、言うは易く行うは難し・・・。出張尋問などの行動力と覚悟。吉田氏の哲学、軸への一貫性が、仲間の勇気ともなった気がする。一方、判決後、裁判長を離職し、後語らず・・・。判決文原本も行方不明。英雄視することが最終目的ではなく、客観的に事実を振り返り学ぶ!という観点で語り継がれる史実という印象。 2014/04/03
金吾
15
戦時下翼賛体制で行政と立法が一体化し、司法も圧迫を受けている時期に選挙を無効判決した裁判官がいたことを知らなかったので、単純に感動しました。2021/11/05
杜子春
4
記録2021/01/11
サカモトマコト(きょろちゃん)
2
戦時中に行われた第21回衆議院議員総選挙の鹿児島2区の選挙で政府の圧力に逆らって選挙無効の判決を出した裁判官の実話。 日本が戦争一色の時代に身の危険を顧みず三権分立を貫こうとした裁判官もいたのだなと感心しました。 そしてこのような時代もあったのだから選挙は棄権しないで投票するべきだと改めて思いました。 2017/10/14
hisayparrish
1
司法記者クラブにいたというNHKの清永氏が、丹念に取材し、資料を集めて上梓した素晴らしい著作だ。話に聞いたことはあるが詳しくは知らなかった吉田久大審院判事の、戦時中の翼賛選挙を無効とした「気骨の判決」を、その人となりを含め、当時の状況を詳らかに描き、一気に読ませる。司法の独立にかけたぶれない信念とその勇気に感服する。また、吉田コートの判事に限らず、緊急時、国策、聖戦、大義といった美名に踊らされず、信念を貫く斎藤隆夫、大河内輝耕、三宅正太郎、原告らその他の人物も描かれているのがうれしい。2023/09/23
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