内容説明
人々の生活の基本にあり、日常を区切り律する「時」。その成り立ちや仕組みはあまり知られていない。幾多の不備があっても習慣として使い続けられる暦がある一方、高い精度が求められ原子単位となっていく「時」もある。一体「時」はどのように決められているのか。先人たちが苦労を重ね定めてきた歴史とともに、現代的な観点も含めて、「時」の専門家が壮大なテーマを易しく解説する。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lulo
3
なぜ1週間が7日か、なぜ一日は深夜0時から始まるのか、といった考えたこともない疑問を解説してくれてとても面白かった。暦の成り立ちも興味深かったし、その後の細々とした問題点も悩ましいが面白い。相対性理論のところは理解が及ばず。ろうそく時計、見てみたいなぁ。2019/08/18
霹靂火 雷公
1
「平均太陽時」は知っていたが、日食計算で「暦表時」が登場したので、理解を深める為に読んでみました。加えて「原子時」についても詳しく説明してあり、平均太陽時を仲立ちとして協定世界時(UT)の秒=原子時計時の秒と決められている事が納得できました。一般相対性理論によって「絶対的な時間(座標時)」の存在が怪しくなってからも問題が棚上げされた結果、最近では毎年のように「閏秒」を挿入せざるを得ない、という状況なども一歩踏み込んだ視点で見ることができてよかったです。看板に偽りなしの良著です。2014/05/03
ノンミン
0
本書は古代からの暦の歴史をひも解いたものですが、近年の原子時計に関する説明も充実してありよくまとまった本です。2016/01/24