時速250kmのシャトルが見える - トップアスリート16人の身体論

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時速250kmのシャトルが見える - トップアスリート16人の身体論

  • 著者名:佐々木正人
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 光文社(2014/06発売)
  • 秋の夜長に本を!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~10/14)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334034641
  • NDC分類:780.4

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内容説明

スポーツを論じるには二つの語り方がある。
一つはアスリートの身体に焦点を当て、どのスポーツにも通じるようなボディとマインドのコントロールを中心に語る方法。
今までのスポーツの論じられ方と言えば、大部分がこれだった。
もう一つは、アスリートの身体を取り巻く「環境」に焦点を当てる語り方。
例えば、陸上選手にしか語れない「地面」、水泳選手にしか語れない「水」を中心化する語り方である。
本書では「スポーツの環境」に焦点を当て、生態心理学で「アフォーダンス」と呼ばれる「環境」の意味に、第一人者である著者が、北京五輪に出場する“オグシオ”潮田をはじめアスリート16人のインタビューを通じて肉薄する。

目次

エリア―身体の延長しているところ、一瞬で知覚する広さ(潮田玲子・バドミントン―空間を20分割して、シャトルを打つ! 名波浩・サッカー―ゴールへの完璧なパスコースが光り輝く 松下浩二・卓球―騙しあいの格闘技…卓球競技の本質)
地面―疾走を支える外部エンジン(朝原宣治・100m陸上―100mを10秒台で走るとはどういうことか 鈴木亜久里・F1―F1ドライバーが見ている時速300kmの世界 堀井学・スピードスケート―スケート選手は氷をどう捉えているのか 皆川賢太郎・アルペンスキー―ポールは“縦への落下”でクリアする)
空気―情報の埋め込まれた周囲(鹿島丈博・体操―宙返り、離れ技、高難度…体操競技の本質 澤野大地・棒高跳び―コンディションのいい日はポールが柔らかい 船木和喜・スキー・ジャンプ―ジャンプは、飛ばずに「風」に乗る)
水―硬軟、形、千変万化の環境(寺内健・飛び板飛び込み―踏み切った瞬間、「入水ルート」が見えてくる 武田大作・ボート競技―水と喧嘩せずにボートに従う 武田美保・シンクロナイズド・スイミング―水面の硬さは、演技によって障子紙にもシルクにもなる)
力―「隙」、「道」…直感で把握するタイミング(吉田沙保里・レスリング―“隙間”ではなく隙“動き”。そこがタックルの「入り口」 野村忠宏・柔道―相手の股下に背負い投げへの「道」が見える 友綱親方・相撲―大相撲で闘うとはどういうことか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

流之助

21
たくさんの一流アスリートとのインタビュー集。これを通じて、彼らの持つ独特な身体感覚の一端を除き見れたような思いがした。私は運動音痴なのでなかなか実感としては分からないのだけれど、膨大な時間をかけて練習や稽古の結果身についたそれは、言葉にしてみると何ともユニークなものだということが面白い。特に水についての個々人の感覚が独特だった。泳ぐ人と漕ぐ人。似た部分と違う部分がある。面白い。あと相撲好きとしては友綱親方のインタビューが最高だった。2019/11/07

さら

17
一流のスポーツ選手にはそれぞれ自分だけの感覚があるのだなぁと思いました。その道を極めたからこそ見える世界、感じられるものであり、練習を積んだからこそ発達した感覚とも言えるかもしれません。2014/02/26

たまきら

14
ううむ!トップアスリート(出版当時)たちの体の使い方、周囲のとらえ方にただただ唸りました。非常に勉強になります。陸上選手の「骨盤を動かして走る」という言葉にああ、なるほど!とか、とにかく言葉に浮かぶ努力の研鑽に感激しました。サッカー選手の「見える感覚」、スキージャンプの「ジャンプじゃない、風に乗るんです」というナウシカのような言葉。水と相性が悪い自分、ボート競技の「水を豆腐ととらえる」が全く認識できず愕然としたり。「affordance theory」は研究してみたい。面白かった。2016/10/29

びすけっと

7
2008年7月刊。初出 VS.。「科学の栞」つながり。一流のアスリートたちは科学の力を借りながらも、練習と試合で培った自分なりのベストな競技スタイルを築き上げているのだと思いました。ものすごいスピードのものが止まって見えたり、ちょっとした修正をほんのわずかの時間に行えたり、最善のコースが光り輝いて見えたり・・・またその日のコンディションがつかめ、それにあったベストな競技を試みるすごさ。勘のようなものがまだまだあるのだと思いました。その未知の科学が今後、科学されるのだろう。2015/06/15

月世界旅行したい

7
これは、おもしろい。2015/05/01

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