内容説明
カラシニコフを切り口に、国家とは、武力とは何かを考える。南米、アフガニスタン、イラクなどを舞台に、アメリカをはじめとする大国のエゴと、それが引き起こす諸問題を報告。パキスタン北部にある銃密造の村ダラのルポも収録する。
目次
第1章 ノリンコの怪
第2章 ライフル業者
第3章 流動するAK
第4章 AK密造の村
第5章 米軍お墨付き
第6章 拡散する国家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
325
Ⅰではカラシニコフとのインタビュー、及びアフリカ諸国でのカラシニコフが語られていたが、Ⅱでは南米(コロンビア、ペルー)とアジア(アフガニスタン、イラク)におけるカラシニコフの実態が述べられている。南米においては、地理的にもさすがに小銃のほとんどすべてがカラシニコフということはないが、中国製のNORINCOなる競技銃(建前に過ぎないのだが)が主としてアメリカ経由で密輸されていた。しかも、対価はコカインである。したがって莫大な利権がそこにはあり、それに群がる武器商人たちや政府高官といった図式があった。⇒2019/03/20
白義
20
コロンビアでは極右ゲリラと極左ゲリラが麻薬や誘拐で生計をたてながら今も抗争を繰り返している。だが、個々の構成員は右も左も、政治など全く知らない「単に、他に仕事がなかったから仕方なく」ゲリラに参加し不法行為を繰り返しているだけにすぎない。イデオロギーなど、そこでは偶然的なものにすぎない。そんな「我々と変わらない普通のゲリラ」へのインタビューやライフヒストリーの叙述に冒頭から力を注ぎ、はじめからすでにクライマックス。それにしてもよくこんな凄まじい取材が出来るものだ2013/08/27
たまきら
18
面白かったので続編も。特集を読んだ人たちの「もっと知りたい」に丁寧にこたえたかたちです。カラシニコフが開発者の手をはなれ、独り歩きしていくところがおそろしく、そして面白かった。カラシニコフおじいさんの誕生日風景も。どちらかといえば「兵器」という道具をめぐるひとびとの生活を見せてもらう感じだったのが興味深い。「right to arm」がないと困る人たちの現実を見た感じ。しかし…やっぱり不毛だ。2016/09/26
lily
7
コロンビアにアフガニスタン。前著のソマリアや赤道ギニアに匹敵する「失敗国家」で中国や米国産のカラシニコフの模造品が流通し、多くの命を奪う。開発者はこう言う。「シエラレオネでカラシニコフにより多くの死者が出たのだからあなたは有罪だというがそれはおかしい。その論理なら、日本刀で人が殺されたら刀鍛冶が有罪になる。」首肯できる理屈である。彼が開発していなくても、同じような銃はいずれ開発された。科学技術の進化は止めることはできない。私たちに求められるのは、それをいかにマネジメントするかということに尽きるのだろう。 2019/03/24
GaGa
7
パキスタンのアフガニスタン国境付近に大量に武器を売りさばく村があるとは聞いていたが。ここではAK47の密造銃が平然と売られている。AK47がそれだけ簡素なつくりで優秀な銃だとの証でもある。この銃の設計者カラシニコフの言葉は、多少ネタバレも入るのでコメントで記載します。読んでいただけた方、どう思いますか?2010/05/27
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