ハヤカワ文庫SF<br> 楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想

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ハヤカワ文庫SF
楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想

  • ISBN:9784150116699

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内容説明

イギリスの片田舎で過ごした少年期、ロンドンでの公務員生活、そしてイギリス空軍の技術士官としてレーダー開発に従事した6年間……やがてSF界の巨匠となるアーサー・C・クラークのかたわらには、常にパルプ雑誌〈アスタウンディング〉と驚異に満ちた短篇の数々があった。SFと宇宙科学への関心で結ばれた様々な友人たちと交流した黄金の日々を、ユーモア溢れる筆致で生き生きと描いたファン待望の自伝的エッセイ。

目次

第1部 ベイツ―一九三〇~三三(ファースト・コンタクト 「現実の幻影」 ほか)
第2部 トレメイン―一九三三~三七(死と変容 「太陽から生まれたもの」 ほか)
第3部 キャンベル―一九三七~七一(ジョン・W・キャンベル ロケット戦争 ほか)
第4部 終章―アナログ(変貌 「蒸気力ワープロ―忘れられたヴィクトリア朝技術の叙事詩」 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

9
電気通信技師の父と電信技手の母の間に生まれた作者は、学校の「地下牢」と呼ばれた部屋で「アスタウンディング」誌を見つけ号数を揃え始め、計算尺は得意だが複式簿記より宇宙船を夢見る公務員となる。第二次大戦時、空軍の技術訓練を受けた作者は、SF世界を思わせる施設で通信衛星の構想を論文化する一方、V2ロケットと原爆の出現の間に「太陽系最後の日」を「アスタウンディング」誌に売る。同誌の3人の編集長ベイツ、トレイメン、キャンベルの名が章立てとなった本書は、終戦によって無邪気すぎたSFの楽園の日々は終わりを告げたと記す。2023/10/30

SINKEN

8
【総評】★★☆☆☆【感想】著者であるクラークが幼少時代に多大な影響を受けたSF雑誌「アスタウンディング」をもとに、科学的な考証や批判を交えながら当時の回想を語る内容。「アスタウンディング」の創刊(1930年)当時、目を輝かせて読み耽った少年は、半世紀以上を経てSF界の3巨頭と呼ばれるようになった。その巨匠が数多ある当時の作品たちを、ジョークも飛ばしつつ現代科学の観点からバサバサぶった切る姿は痛快。掲載当時は見向きもされなかった理論が時代を超え現実になった姿を見るのはどんな気分だろう。興味深かった。2018/02/09

山像

1
あのクラークにもただSFを蒐集し、貪るように読むことだけに捧げたオタク少年だった日々があった。そんなコレクションも長じての生活の変化に伴って散逸し、またSF雑誌を通して読むような情熱も徐々に失われていくというあたりの描写にはクラーク一流の詩情を感じる。 少年時代に見聞きしたものが一番輝いて見えるということ、そしてその頃の経験が作家としてのコアな部分を形成するということをインプリシットに含意しているという点で、同じくSF作家の回想録であるレム『高い城』(最近読んだ)と比較するなどしたら面白そう。2016/04/04

いちはじめ

1
邦題では分かりにくいが、原題ASTOUNDING DAYSが示す通り、SF雑誌ASTOUNDINGに絡めて語る思い出話。やや屈折したユーモアや皮肉が、クラークらしい2008/06/27

コホン

0
幼いころの思い出とか、本を好きになったきっかけとかそういう内容のエッセイだと思っていたので、想像していたものと違いすぎて違和感があるせいか全然楽しめなかった。そもそも、私、SF苦手だし・・・。30年代の作品をお粗末だって非難ばかりしているのもいい気持がしない。こういう分野って結局、未来の人間が読めば「お粗末だぁ」となってしまうのは当然じゃないのかな。その当時は楽しんでいたなら、一つ一つの作品を大切にしてあげてよ、と思ってこの本を読むのが苦痛になった。2012/12/04

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