内容説明
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夏目漱石の原稿を素材とし、その観察、分析を通して明治期の日本語のあり方を窺うことを目的とする。
目次
序章 近くて遠い明治(言語の身体性
現代からみた明治期-『英和字彙』を例として
本書を概観する)
1章 消された漱石(「フタエマブチ」は「フタエマブタ」か
「マブタ」「マブチ」に関わる語群
単純後の概観
現代日本語を対照して考える
複合語の分布から考える
明治期の「マブタ」「マブチ」を考える
漱石作品における「-マブタ」「-マブチ」
おわりに)
2章 印刷が消した漱石(「嶌田」は「島田」か
印刷されて形を変える原稿
漱石の漢字字形/字体
漱石の漢字の用字-漱石は「奇態」だったのか
語形から考える
「漱石文法」
明治期のテキストからみた漱石の原稿
おわりに)
3章 漱石が消した漱石(「骨稽」は単純な誤記か
虚子の訂正と漱石の訂正
「順良」はどこからきたか
仮名書きから漢字書きへの変更
「ナマグサイ」にあてられた漢字列
「同訓異議」「同訓異字」という捉え方
連合関係
外来語の定着度
おわりに)
終章 『それから』百年(明治四十二年六月二十七日のテキストからわかること
「手続き」がなぜ必要か
二〇〇七年六月三日漱石の「相対化」が行なわれていない
表記に関する「オリジナリティ」「プライオリティ」
言語の身体性-聴覚から視覚へ
身体性からみた「手書き」
おわりに)