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内容説明
内裏で厳かに行われていた「豊明節会」の会場に、庶民が乱入、調度品を壊し、ご馳走を食いまくった!? 華やかな平安京に暮らした大多数の住民、庶民たちの実態を探る、初めての王朝庶民生活誌。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
57
平安京で暮らす庶民はどういう存在だったのかを『大鏡』や『小右記』『九条家本延喜式裏文書』等から紹介し解釈した一冊。『九条家~』は九条家に伝わる延喜式の写本が反故紙を利用したものだったため裏に検非違使庁に提出された嘆願書等がそのまま残っていて歴史学者にとってはな貴重な資料となったもの。紙が貴重品だった時代ならではの副産物と言えるし紙に残された記録の意義が分かる気がした。『新猿楽記』を中心に同著者の著作があるのでこれも読みたい(引用部分に当時の食べ物事情があるので)2020/11/26
サケ太
22
これは面白い。平安時代、などと字面でだまされてしまうのは流石にないとしても、そこで生きる大多数の庶民たちについてはあまりにも知らない事が多い。犬丸と呼ばれた人々。貴族の従者たち。雑色。牛飼童たち。平安時代にも多種多様な庶民たちが生きていた。裏切る従者や、それを知らせる従者。武士50人と待ち伏せしてそれを討ち取る話は面白かった。2022/06/27
Toska
16
庶民たちの「平安朝」ではなく「平安京」。特異な人口構成を持つ都に的を絞った結果、登場する庶民はほとんどが貴族の従者に偏っており、その点は注意が必要。それでも、類書の少ない貴重な一冊であることは間違いない。王朝社会を文字通り底辺で支えた名もなき庶民たち。彼らの草根たくましい生き様は、著者一流の活力あふれる文体にマッチしている。大人になることを許されなかった不思議な人々・牛飼童の存在も興味深い。2024/11/05
bluemint
11
1000年前の平安時代。貴族たちの優雅な姿は浮かんでくるが、それを支える庶民の暮らしぶりは全くわからない。著者は、貴族の遺した日記などの記録文書により解明する。清少納言の雪のエピソードは面白い。庭に積もった雪がいつまで消えずに残るか賭けをした。彼女はこれに夢中になり毎日チェックするが、最終日になり確認に行かせると跡形も無くなっていた。清少納言怒り狂い、見張りをしていた庭師は褒美も貰えなかったという話。他にも面白い話が一杯。必要十分な程、関係者図や施設の地図や物価や位階表などが挿入されとても親切。2020/06/23
Ryosuke Kojika
6
庶民といった時に漠然と百姓を想定していた自分の視野の狭さを実感。そもそも平安京が人工的な都市(産業とは無縁)であり、その中心にいたのが貴族であるならば、さらに、そこで暮らす多くの庶民とは貴族に関わる従者である。そして、その庶民と貴族の関係性が現代的な価値観からすれば差別的と言えそうだが、一概に抑圧された哀れな存在とも思えなかった。史料の制約上、類推が多用されるが、そこにいたる著者の想像は一概に的外れではないように感じる。『小右記』を読んでみたい。内裏をうろつく乞食や牛飼にまつわるエピソードが興味深かった。2019/04/08
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