内容説明
モデリングとは、情報システムを開発する際に、ユーザーの要求やシステムの全体像を図として見える形にすることです。システム開発の最初の分析・設計作業を支える重要な技術であり、現在では、UML(統一モデリング言語)が、その表記法として定着してきています。ただ、UMLは表記ルールを定めたものであり、モデルを作成する手順や方法は決まっていません。
本書は、情報システムの設計で必須となる3つのモデル(静的・動的・機能モデル)を、UMLを使って作成する方法を、基本から丁寧に説明します。クラス図、オブジェクト図、状態機械図、活動図、ユースケース図/記述の間で整合性をとりながら、より良いモデルへと作り上げていく手順とポイントがきちんとわかります。
目次
第1部 モデリングの考え方(モデルが表現するもの UMLの基礎知識)
第2部 モデルを作ろう(静的モデリング1:概念と型 静的モデリング2:関連 静的モデリング3:インスタンスの構造 静的モデリング4:高度な関連 型図の演習 動的モデリング:状態機械図、活動図 機能モデリング:ユースケース モデル間の整合)
第3部 要求をモデル化する(総合演習:ユーザー要求のとらえ方)
付録A ユースケースとは何か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazuo_kashiwabara
4
UMLの作法だけでなく、モデリングとは何かが説明されている。モデリングの概念を、完全に理解するのは難しい。プロセス改善をするときには、UMLモデリングをすべきではないかと、思った。2016/05/19
amkmpp
3
Tipsやテクニックではなく考え方・モデリングそのものについて説明されていたと思う。UML記法は何となく分かっているけど、現実のビジネス・仕組みの本質をいかに抽出しモデルに落とし込んでいくのかを知りたい人には薦めたい。ただし、タイトル通り入門なので、本書を読み終えたらすぐモデリングができるかと言われると、個人的には難しいと思う。ちょうど読みたいときに読むことができたのもあるかもしれないが勉強になった。良書と思う。2022/02/05
monotony
3
記法がある程度理解できる(UMTP L1認定)ようになったので一年越しのリベンジ。やっとまともに読めるようになったという感じ。何が言いたいのかがだんだんと分かるようになってきて、モデリングの面白さに引き込まれつつあります。次は同じ著者の黄色い本(本質)に挑戦します。あとそろそろL2にも・・・。2016/08/31
monotony
3
UMLを勉強しようと思ったけど。最初の一冊としてはハードルが高かった。というよりUML「モデリング」入門なのでUMLを前提知識にして如何にモデリングするかということを論じた本なので、最初に読む本として選んだのが間違いだった。古本を見つけたので先に読んだのですが、それが失敗でした。 もう少し基礎的なことを勉強会してからリベンジです。2015/08/22
とりもり
2
入門と銘打つ割に、内容は結構難しい。UML自体の解説から始まらない点に少し驚いたが、「UML入門」ではなく「モデリング入門」だからなのだろう。とは言え、読み進めるに連れてUMLそしてモデリングとはということが理解できるので、最初さえ突破すれば面白い本。まぁ、自分でUMLを駆使してモデリングできるようになる気はしないのだが…。入門書、実用書のどちらでもなく、ちょっと中途半端な感は否めないが、UML自体の入門書を読んでから本書に取り掛かれば、また違う印象かも。★★★☆☆2016/10/16