内容説明
その瞬間、あたしはニンゲンであることを無意識に放棄して、地面に転がるただの石になった。見開いている眼に、空の青が飛びこんでくる。真っ白な意識はあまりにもピュアに、汚れも怖れも知らない無窮の宙の色にそまっていた。太陽の回りの光環がいくえにもにじんでいるのも、空の高みから降ってくるキラキラした光の粒子も、ひとつひとつくっきりと見える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MI.YUKA
2
憎悪に操られることは間違いである2009/12/14
朧
1
自分をイジメていた人間を殺していく復讐劇。ちょっと時系列が解りにくかったり途中に出てきた絵を褒めてくれた男性が関わってくるのかと思ったら違う感じだし(彫刻の作者なのか?)モヤモヤが残って消化不良ぎみ。2014/07/20
のみちゃん
1
独特の表現にいちいち感嘆しながら読み進めたが、ほとんどを顔を歪めながら(眉をひそめながら)読む結果となった。時系列が時折掴みづらくなったり、妄想と事実の境目がわからなくなったりと何度も混乱したが、この独特の世界の中では全てを掴めるか否かなどどうでも良いことだろう。アラガキを追い詰めるシーンで爽快な気分になっていたり、ニマニマしたりしている自分にゾッとした。誰かが死ぬ話を嫌う私はまた読みたいとは思わない内容だが、桜井亜美独特の表現にはまた触れたいと思う。2014/03/14
静かな朝
1
いじめの描写は残酷ですが、いじめの経験がある人にこそ響く本に感じました。痛い思い出は、心に傷跡を残す。誰も信じられなくなった時、人の「天使の部分」を教えてくれます。誰が良いとか悪いなんてなくて、みんなが大切な存在。だからこそ許し合いたい。2013/11/02
Hisashi Tokunaga
0
「大田文学ってどう」;渡口橋中学で受けたイジメを第三者に訴えるでもなく、自身が「カゲ」と化し、一卵性の弟と擬制される「ワタル」と、コンビニ経営の父母との葛藤のなかに芽生えたイジメた者たちへの殺意。渡口橋中はフィクションだが多摩川と架かるガス橋がもつ実在感が、イジメと復讐の現実感のバックヤードとしては少し物足らないかも(=何故下丸子のガス橋なんだ?)。朝日新聞NO368東京物語散歩に本作品が掲載された!ガス橋上からキヤノンを望む写真掲載。書評は少し本作品のドロドロ感が薄められているので不満。2016/03/06
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