内容説明
二児の母で、三十八歳になる素子は、平凡な専業主婦だった。だが、大学講師でメディアにも進出しているやり手の友人・ルミに強引に誘われ、彼女の事務所を手伝うことになった。様々な出来事に翻弄されながらも、次第に仕事への意欲を覚える素子。しかし、一方で平穏な家庭に影響が出始め……。本格化した女性の社会進出を背景に、女性にとって仕事とは何か、人生の充実とは何かを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
177
昭和61年に琉球新報他で連載されていたそうだ。あの頃・・『男女雇用機会均等』当時、このような女性ばかりではなかったとは思うものの、確かにルミのような女性にスポットが当たるような気もする。そして、腐れ縁の同級生主婦・素子の半年。正直言って素子は還って来たから良かったものの、違う人生を堕ちていったかもしれないなぁと。城山作家の作品はタイトルが好きで今回も何気に手にしたのだが、今回はちょっと違和感だった。今読むにはちょっと古い感じ・・あれから35年、時代が変わりすぎ(汗)2020/03/08
Syo
27
う〜む。 難しいねぇ。 働くって。2021/01/22
シュラフ
19
これって本当に城山三郎が書いたの?、というのが読後の真っ先の感想である。作者名をふせて読ませたら宮本輝の小説と言っても誰も疑わないだろう。物語は、38歳の専業主婦・素子が高校時代の友人に誘われて研修企画運営会社に働きに出る話である。決して本人がやる気を出してというわけではないが、友人・ルミに強引に引っ張られて様々な出来事に翻弄されながら、女性の社会進出というものについて色々と考えさせられる内容となっている。一応 読ませてはくれるのだが、正直 城山三郎さん あまり女性ものは得意でないな、と思った。2014/05/01
Cornelius
9
筆者の『そうか、君はもういないのか』を読んで、他の作品をと思っていたところ、図書館で見つけて読んでみましたが、ちょっと物足りなかった気がします。 女性目線で主婦として、または社会人としてのあり方をテーマに書かれた本書ですが、タイトルの『本当に生きた日』とは、結局どういうことだったのだろうとモヤモヤ感が残る結果となりました。2019/10/26
fubuki
9
ルミのような女性がいたので、感慨深いものがあった。この時代の向上心に燃えた女性は、人を押しのけ或は利用して、しかも女であることを生かしながら生きていたと思う。なんだか懐かしいような流れだった。良くも悪くも、城山さんが書かれたということに驚きだ。「硫黄島に死す」を読んだ後だったので尚更。ベビィー・プレイ!かつて雑誌を騒がせたことがあった。これもあの時代の産物として、小説の中に残しておくべきこと、だったのでしょうか・・。2019/09/08